出戻った!
あくまでも架空の方です。
実在のエースをベースにしますが・・。
ワシの名はS井二郎。
御年84・・。
嘗ては零戦を乗りこなし数々の敵を葬った。
だが敵爆撃機の編隊を戦闘機と誤認し、後方機銃群の弾幕に突入、負傷し、
黄金の視力を喪失。
生きて帰ったが、片目を失明し戦闘機パイロットとしては終わった。
アレだけ大切にしてた目を・・。
戦後、視力の無いワシには戦闘機パイロットとして返り咲く事も無く、
嘗ての闘いを本で発表、敵の米軍側から賞賛されたのは皮肉かも知れぬ。
子を成し、会社を興し講演活動をして長々と生きたが、零戦で闘った五年の歳月よりは手ごたえの無い一生だった。
ワシのターニングポイントはA山中学でグレた事だった。
もしアレでグレずに卒業出来ていれば兵学校に入り、指揮官として兵を指揮出来ただろう。
兵上がりの特務士官ではどんなに実力があれど、指揮権は無い。
悔やんだ一生だったのは間違いない。
招かれた米軍某基地で気分が悪くなり、医師に診て貰ったのが今生の最後の記憶。
嗚呼・・ワシもお迎えが来るのだな。。
本田、宮崎・・。また貴様等に会えたらな・・。
寝オチするみたいにワシの意識は混とんとなって消えた。
・・・・・・・・・・・・・・
ココは???
ワシは気づくと汽車の中に居た。
このシーンは??
モンペ袴で風呂敷と僅かなお金と切符。
行先は東京の叔父の家・・。
そうか?A山中学受験だな・・。
神よありがとう!!
ワシは嘗ての経験を全て持って蘇れたのだ!!
どんな武器よりも有り難い。
叔父の家に着くと早速A山中学を受験。
海軍の操縦練習生を受験した事を思えば容易いモンだ!!
二郎は叔父に頼み、身体を鍛えるために講道館に通い、柔道を嗜む。
段は要らぬが、とにかく貧弱な少年では海軍に入ったら舐められる。
そして操縦で悩んだ肺活量増量も・・。
叔父もA山で優秀な成績を保つワシには満足し、充分な教育を約束してくれた。
メシも・・。
とにかく兵学校受験年齢に達したら兵学校に入るのだ!!
勉強はバシバシ若い脳に入り、学校帰りに講道館で鍛えメキメキと身体も鍛えられて来た。
後輩に嘗ての上司、笹井少年が居たので揉んであげたら感激してたな。
ワシは兵学校に入ると宣言すると彼も後を追います!!と・・。
A山を成績トップで卒業寸前に兵学校受験年齢に達し、叔父の許可を得て、
兵学校を受験。
見事トップで合格!!
叔父もS井家の誉!!と大喜びで兵学校に送り出してくれた。
待ってろよ!零戦。
ワシは出戻ったのだ!!
誰とは言いませんが、皆様もご存じのエースの出戻り物語です。
チートは無いですが、経験や知識が生前のままがチートです。
エースが兵学校に入り、指揮権を得た事から歴史を変えて見ます。