第9話 家の掃除をしよう(2)
さて、家の掃除を再開しよう。
まずは、天井付近にあるクモの巣を箒で取り除く。
これは2つしかなかったので、すぐに終わった。
次は掃き掃除をして、拭き掃除だ。
拭き掃除をするのは面倒だが、拭かないと埃っぽいままだろう。
なら、どうすればいいか?
(こうすれば、一挙に掃き掃除と拭き掃除もできるだろ)
俺は桶に入った水をそこら中にぶちまけた。
(水ごと掃いてしまえば、あっという間に終わるだろう)
後から後悔することになるのだが、とりあえずはあとは水を家から掃き出せばお終いだ。
我ながら良いアイデアだと思いながら、水を掃き出す。
床は濡れているが、水がかなり汚れていたところを見ると、埃も一緒に掃き出せたのだろう。
(こんなに上手くいくとは思わなかった)
あとは床を乾かせば、掃除は終了だ。
森の中に入って、薪になりそうな木や小枝、松ぼっくりを拾ってきて、竃に火をくべる。
濡れていたので、ちょっと火が点き難かったが、無事に竃に火が入った。
すぐに水蒸気が上がり始めたので、ここはこのまま放置しておけば良いだろう。
「さてと……」
竃の中の薪へ剣を刺して、暖炉へと持って行った。
この調子で、暖炉に火を入れて家全体を乾かせばいいだろう。
暖炉にも火が入った。
薪を追加して、家全体をどんどん温かくする。
「しかし……暑いな……これは……」
家の中に居ていられなくなり、慌てて外へ出た。
(たまに様子を見に行けばいいだろう
その間に、水を汲んできて、薪を拾ってと……
やらなきゃいけないことは、まだまだある)
まずは、また水を汲んでこよう。
2回ほど往復したが、家の中に入るだけで汗だくになってしまう。
そのくせ、床は濡れたままだった。
(そのうち乾くだろう)
薪を拾ってき帰ってから、また家の中を覗いてみたが、一向に乾く気配はなかった。
家の前で火を焚いて、肉を焼いて食べた。
頭上には満天の星空が輝いていた。
(まさか、家の前で野宿をすることになろうとはな……)