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第83話 ミスリル加工の結果

「こんにちは、ノアさん。

 飲み物を持って来るから、ちょっと待っててね」


「あぁ、ありがとう」


「ノア、まずはそこへ掛けてくれ」


「ありがとう」


「で、お主から預かっていたものから清算してしまおう。

 まず、これはお主に作って欲しいと言われていた小刀じゃ。

 ミスリル製じゃから、切れ味、耐久性、どちらも折り紙つきじゃよ」


 ドノバンから小刀を受け取る。

 見ただけでも、その辺の刃物とは一線を画していることが分かる代物だ。


「凄いな、これは」


「そうじゃろ。

 叩いてみて分かったのじゃが、儂が以前に叩いたミスリルよりも、断然、品質が良かったのじゃ」


「ミスリルでも、品質の差があるのか?」


「勿論じゃ。

 不純物が少なくなるほど、良いミスリルなんじゃよ。

 お主の持ってきたミスリルは、儂の見立てだと不純物を含んでいないようなのじゃよ」


「小刀でこれなら、片手剣はもっと凄かったんだろうな?」


「あぁ、会心の出来じゃった」


「領主様も、すごく喜んでいらっしゃってね……」


 イルデが、飲み物を目の前に置きながら言った。


「他のミスリル製の片手剣より、多めの金貨を頂いたわ。

 短剣は冒険者の方に渡したのだけど、こちらも大喜びだったわ」


「そうか、それは良かった」


「とりあえず、あなたの取り分をお渡しするわ」


 金貨の入った袋が2つほど机の上に置かれた。


「おい、多すぎないか? 加工代をきちんと引いているのか?」


「ドノバンと話して、きちんと加工料金を頂いているから、安心して頂戴」


「それでも、ドノバンの造りが良かったんだから、もっと貰ってもいいはずだ。

 俺は1つで充分だよ、こっちはそちらの利益としてくれ。

 俺が持っていても、使い道が無いからな」


 金貨の入った袋を1つだけ取って、もう一つは机の上に置いたままにした。


「そう言うと思ったわ、ドノバン」


「あぁ、そうじゃな……。

 ノアよ、前に儂が頼んだ件はどうなったのじゃろうか?」


 急に、話が変わったな。


「あぁ、その件は許可が下りたので、こちらに引っ越してきて良いぞ」


「ならば、その金は引っ越した先の家の料金じゃ」


「いや、料金はいらないよ。

 まともな家を用意できるとは、思えないからな」


「いいのじゃよ、儂らもそちらに引っ越したら、それほど必要になることは無いじゃろうしな。

 それに、そこには儂らの食費も含まていると思ってくれ。

 街には出られんじゃろうから、お主らの食料を譲ってもらうことになるじゃろうしな」


 これは、ここまで先読みされていたな。


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