第7話 完了できそうなクエストを確認しておく
街を出る前に食料をある程度買っておこうと思ったのだが、
(あっちでもこなせるクエストを確認しておくか)
そう考え、冒険者ギルドへと向かった。
まだ早朝のためか、ギルドの中はそれほど騒がしくない。
中へと入り、クエストボードの前へと進んだ。
(さてと、俺ができそうなのは……)
『薬草採取 10本銅貨5枚 ※ただし、採取して3日以内のものに限る』
『スライム討伐 2体につき銅貨1枚』
『ゴブリン討伐 1体につき銅貨1枚』
『コボルト討伐 1体につき銅貨2枚』
これらは常設クエストだから、毎回、報告する必要はなく、ある程度の数が集まったら納品しにくればいい。
それまでは、家のことなどをすればいいし、休みにしてもいいだろう。
今までのようにクエストをこなす必要はなく、自分のペースでのんびり稼げばいいんだ。
薬草だけは期限があるから、他の物を納品する1~2日前に集めるようにしないといけない。
のんびり過ごすと決めてから、パーティを抜けた直後のような悲壮感が全くなくなった。
(そうと決まったら、食料を仕入れて新居へと向かうか……
とりあえず、食料は3日分もあればいいだろう。
その間に家の掃除をして、クエストをやって……
最悪、干し肉だけでも2日くらいは凌げるだろう)
パン、肉、野菜、果物などを買い揃えて、街を抜けて新居へと向かった。
荷物を抱えての移動はそれなりに大変だったが、なんとか新居へと到着した。
「やっと到着したな。
荷物がある時は、何か運ぶ手段があった方が良いかもしれないな……」
鍵を開けて、家の中へと入る。
昨日も見ているが、何とも言えない感慨がある。
(新築じゃないんだけどな)
昨日は感じなかったが、少し埃っぽい。
(窓を開けて、しばらく風を通すか。
その間に、裏庭を見に行こう)
昨日、契約が住んで帰り際に小太りのおっさんが、
「そういえば、お見せするのを忘れていましたが、家の裏に庭があるそうです。
前の住人が、暇つぶしに作ったとのことですので、大したものではないと思います」と言っていた。
(潰して畑にすれば、多少は食費が浮くかもしれない)
目の前にあった裏庭は予想外のものであった。
大きさとしてはそれほど大きくはない。
雑草も生えっぱなしで、庭とは名ばかりのただの空き地のように見える。
だが、日当たりがよく、きちんと手入れをすれば心地の良い場所になりそうな予感がした。
(ここで昼寝なんて、気持ちいいだろうな)
畑にするには狭すぎるその場所は、やはり、庭として使おうと決めた。
畑にする場所はきっと他にもあるだろうし、別に家の隣である必要はない。
(家の掃除が終わったら、雑草でも刈るか)
方針が決まってきた。




