第45話 雨の日
今日は朝から雨が降っていた。
雨が降ると、畑の作業はお休みだ。
無理をすれば出来ないわけではないが、無理をする必要もないので休める時には休む。
でも、全くすることがない訳ではない。
木の皮で紐を作ったり、魔法の練習をしたりしなければいけない。
食事は相変わらず肉を焼いただけのものばかりだが、贅沢は言えない。
干し肉に比べれば何倍も美味しい。
ヴィーヴルは今日も遊びに来ている。
まぁ、一人で洞窟の中にいるよりは、話し相手が居る分ずっといいのだろう。
俺とヴィーヴルは、ゴブリン、魔犬両方ともに話ができる。
ゴブリンと魔犬は話ができない様だが、今のところ大きな問題にはなってないので良いだろう。
「と言うわけで、職人を知らないかな?」
俺とヴィーヴルが話し合っていた。
小刀を研ぎながら使ってはいるが、そろそろ限界になってきた。
このままだと、動物の皮を剥ぐことや、肉を切り分けることが難しくなってくる。
「水の刃で切ることはできるけど、細かい作業はできないんだよ。
だから、新しいのを手に入れないといけないんだ」
「う~む、妾は心当たりがないのじゃ」
『此処に来る前ですが、森の中でドワーフを見かけました。
多分、大きさから言って子供だと思います」
ファーティが言った。
ファーティとは魔犬の雄の親の名前だ。
この間の騒動の後、魔犬にも名前を付けることになった。
相変わらず名付けのセンスは皆無なので、どこかの国の呼び方から付けることにした。
魔犬は両親、雄の子供2頭だったので、雄親はファーティ、雌親はムッティ、子供にはアインズ、ツヴァイと付けた。
「子供が居るってことは、村か集落が近くにあると思う。
行ってきて良いかな?」
「まぁ、仕方がないのじゃ。
焼いた肉が食べられなくなるのは、嫌なのじゃ」
焼いた肉というものは、ドラゴンの胃袋をがっちりと捕まえたらしい。
「ファーティ、そのドワーフの子供を見かけたあたりって、此処から遠いのかな?」
『我の足だと、朝から行って日が高くなる前には着くと思います』
ファーティの足で半日前には着くと言う事か。
人間の足だと、倍くらい掛かるだろうから、半日を越えた位と言う事だろう。
「よしファーティ、明日、晴れたらそこまで案内してくれないか?」
『承知!』
「じゃあ、明日晴れたらドワーフを探しに行こうと思うから、ヴィーヴル、済まないけど俺がいない間、昼の間だけでも、こっちに来てゴブリン達を守っていてくれないか?」
「分かったのじゃ。
それくらいはお安い御用なのじゃ」
「ありがとう。
ファーティの話だと、多分、最低でも2日くらいは此処を離れることになると思う」
首尾よくドワーフを見つけられたら良いが、上手く見つけられるとは限らない。
1日探して見つからなければ、諦めよう。




