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第38話 ゴブリン達との朝食

 夜が明けて朝になり、ゴブリン達の部屋へ行ってみると誰も居なかった。

 皆逃げたのかと思って外へ行くと、全員揃って周りを色々と見ていた。

 何をしていたのかと尋ねたところ、朝から周りの様子を伺っていたらしい。

 昨日来たばかりなので、周りを警戒しているのかもしれない。


 朝ご飯を食べようとゴブリン達を誘うと、皆驚いたようにこちらを見ていた。

 どうやら、ゴブリン達は1日に昼か晩の1食だったらしい。

 昨日は晩ご飯を食べたから、今日は何も食べずに畑の作業をするつもりでいたとのこと。


「朝ご飯と言っても、スープだけだけどな」


 俺は家の中に入り、鍋に水を入れて鹿肉を小さく切り入れる。

 そして、暖炉の上から土のブロックを1つ取り除いてその上に鍋を置く。

 本当は野菜なんかを一緒に切り入れて煮込むと旨いのだが、今現在、野菜は貴重品だから使えない。

 種は街で買ってきているので、早く植えたいところではある。

 そうこうしている内に鍋が煮立ってきたので、アクを掬い取り捨てる。

 あとは、塩で味を調えて完成だ。


「同じ入れ物が全員分無いから、トロワ、キャトル、サンクにはカップで渡すぞ」


 トロワ、キャトル、サンクの前にカップに注ぎ入れたスープを置いた。


「ここを持つと熱くないからな」


 カップの取っ手を持つように言う。


「熱いから息を吹きかけて、少しずつゆっくり飲むんだぞ」


『いきをふきかける? ってどうやるの?』


「こうするんだよ」


 俺はトロワに向かって息を吹きかけた。


『きゃはは、かぜがきた~』


『ぼく、やってみる』


 (多分)キャトルが息を吹きかけようとするが、上手くいかない。

 それを見ていた(多分)サンクも挑戦してみるが、やはり上手くいかない様だ。

 息を強く吐くことができていないし、口の尖らせることもできていない。


「練習しないと無理なようだな。

 今日は少しずつ、ゆっくり飲むといいよ」


 次は大人の分だ。

 大人には、ちょっと深底になっている皿へと入れる。


「大人はこれだ。

 飲むときはスプーン(これ)を使って飲むんだ。

 こういう風に……」


俺はスプーンで皿からスープを掬って飲んで見せた。


「これも熱いから、ゆっくりで良いからな」


『はい、ありがとうございます』

『ありがとうございます』


「お昼からは、アン、ドゥにも食事の準備を手伝って欲しい。

 手伝いをしながら、料理の仕方を覚えて欲しいんだが、出来るかな?」


『はい、わかりました』


『はい、わかりました。

 でも、料理の仕方を覚えるのならば、私たちが実際にやってみながらノア様に教えていただいた方が良いと思います。』


「そうだな、じゃあ、そんな感じで今日の昼からやってみようか」


『『はい、よろしくお願いします』』


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