表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
364/366

第364話 念願の武器を手に入れた

 翌日、装備の店を開けに行った。

 装備の店までに行う瞬間移動の回数が、1回だけではあるが減った。


(少しずつではあるが、距離が伸びたのは素直に嬉しいな)


 このまま使っていけば、1回の瞬間移動で店まで行けるようになるだろう。

 いつになるかは、まだまだ分からないが……


 いつも通りに開店準備をして、いつも通りに開店すると、これまたいつも通りに新人冒険者が一番乗りを果たす。

 いつもと違ったのは、その冒険者が短剣へと一目散に向かい、1本の短剣を持って此方へとやって来た。


「これください」


 元気な声で、その短剣を机の上に置く。

 装飾が殆どない、ドノバンの此方へ来た初期あたりのものだ。


「お、ついに買えるようになったのか?」


「今回、偶々、大金が手に入りまして、これまでの蓄えと合わせて買えました」


 新人冒険者は、金貨20枚を机の上へと置いた。


「頑張ったな。

 よし、ちょっと待ってろよ」


 俺は机の下から砥石を取り出す。

 これは、前々から用意して置いておいたものだ。


 装備の価値はドノバンが決めている。

 これに対して、安くしたりするのはドノバンに対する冒涜でしかないだろう。

 だから、それ以外の部分でおまけをしてやる。

 この砥石は、以前にヴィーヴルの居た洞窟の中で見つけたものだから、何の問題もないはずだ。

 そのままでは使いにくいと思ったので、持ち運びやすいような形に整えてある。


「これをやるから、自分で整備もしてみるんだ。

 本格的な整備は本職に任せるしかないが、簡単な整備は自分で出来る様にならないといけないからな」


「ありがとうございます。

 今日はこの後、これの使い心地を試してみたいと思います」


「頑張れよ」


 短剣と砥石を持って、帰って行った。


(実際に使ったら驚くだろうな……)


 いつも武器を見ていたけど、実際に使ったことは無いと思う。

 実際に使うと想像以上の切れ味に、俺も驚かされた。


 その後は領主の騎士とか、手練れの冒険者たちが装備を買って行った。

 偶に「俺には何かくれないのか?」と言われた。


「あれは、駆け出しへの祝いみたいなものだよ。

 お前も、砥石ならやっても良いが、欲しいか?」


「砥石しかくれないのかよ」


「あれも必要なものだからな。

 でも、あり過ぎても邪魔にしかならないだろ?」


「それは、そうだな」


「それに、例え砥石とは言え、ただで配り過ぎると街の店にも迷惑が掛かるからな。

 あくまで、お祝いだよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ