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第361話 証拠が見つからない

「ノアよ、やはり証拠となる物は見つけられんようだ。

 こちらを狙ったという話はある様なのだが、話だけでは黒幕だと言えぬのでな……」


 ルシフェルが苦虫を噛み潰したような顔をして、伝えてくれた。


「証拠となりそうなものは、何時までも目に付く範囲に置いておかないよな……」


「そうであろうな。

 そんな間抜けならば、辺境伯になんぞなれる訳があるまい」


「此方としても、犯人の特定まではあちら側に任せるしかないからな。

 突然、乗り込んでいったら襲撃と思わるのも間違いないし……」


「どうしても、初動までに時間が掛かってしまうからな」


 犯人は分かっているのだけど、証拠がないのでは追求することが出来ない。


「この後、どうしたら良いと思う?」


 俺はどうしたら良いのか分からずに、ルシフェルに聞いてみた。


「そうであるな……襲ってきた冒険者達は勿論、所属するギルドにも監督不行き届きを理由として罰を与えて終いであろうな」


「証拠がないので、黒幕は叩くことが出来ぬ。

 推測だけで襲い掛かれば、非は此方にしかない。

 今回は上手く逃げられたとしか、言いようが無いであろう」


「そうれはそうだが、黒幕が分かっているのに何もできないのは悔しくないか?」


「いくら悔しくとも、仕方があるまい。

 だが、これで辺境伯が此方に敵意を持っていることは分かった。

 今も辺境伯の下に手の者を置いてあるので、何かあればすぐに分かり、証拠も押さえられるであろう」


「分かった。

 じゃあ、そっちの方は頼むよ」


「うむ、それで、冒険者達とギルドへの罰はどうするのだ?」


「冒険者達は、犯罪奴隷にするしかないか……」


「そうであろうが、奴隷として従事させる仕事が、この村にあったであろうか?」


「力仕事なら、ミノタウロスやケンタウロスの方が向いているし、畑の作業はゴブリン達と一緒にやることになるから、させられないしな……」


「そう考えると、させられるような仕事が無い物であるな」


「そうだ、水の汲み上げをさせよう。

 あれなら問題無いだろうし、疲れたら交代で回してもらえば良い」


「それでも、5人も要らぬであろう。

 2人も居れば終わるであろうしな」


「あと3人か……人間が居ればと思ったことはあったけど、いざ人間が使えるとなったら、困ることになるとは思っても見なかったな」


「贅沢な悩みであるな。

 もし、決められないのならば、本人たちが出来ることを聞いてみるのも良いのではないか?」


「そうだな……水の汲み上げ以外の仕事は、本人たちの出来ることで決めてるか」


「監視はどうするのだ?」


「ファーティ達、魔犬から出して貰おうと思っている。

 手枷は付けたままにするから戦いにすらならないだろうし、走って逃げても魔犬の脚ならすぐに追いつけるだろう」


「それでは、ギルドへの罰はどうするのだ?」


「こういう時は、罰金が妥当なところなんだろうな……」


「そうであるな。

 監督不行き届き以外の非は無いであろうからな」


「こちらについては、ブロワ卿と話し合ってくれ」


「任せて貰おう」


「もし、賠償の中に酒を含めるのならば、先にベルゼバブにお伺いを立てるんだぞ。

 今度は許して貰えないかもしれないから、予め言っておいた方が良いと思うぞ」


「……分かっておる」


 前回の事を忘れていたな……場合によっては、俺にまで被害が及ぶのだから、勘弁して欲しい。


「不可侵の件はどうするのだ?」


「それはそのままにしておいても良いだろ? ただ、食堂は、もう暫く時間が必要だとは思うがな。

 食堂の方を直接襲われたら、被害者が出るかもしれない。

 ある程度、安全だと思えるようになるまでは開けられないよ」


「うむ、それで話を進めよう」


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