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第352話 新しい村民候補を探す(ゴブリン編)(3)

「ノアよ、もう良いのじゃ?」


 ジズと食堂で別れて、俺とドゥ、リリスはヴィーヴルの所まで歩いて来た。

 ヴィーヴルは木陰でドライフルーツを食べながら、こちらへ問いかけて来た。


「あぁ、待たせて済まなかったな。

 もう、大丈夫だよ」


「では、行くとするのじゃ。

 リリスよ、どうしたのじゃ? 早く手を出すのじゃ」


 俺とドゥはヴィーヴルと手を繋ぎ、後はリリスがヴィーヴルと手を繋ぐのを待っている状態だった。


「いえ、あの……手を繋いでどうされるのでしょうか? 行先さえお教えいただければ、私が飛んで皆様をお運びいたします」


「あ、そうか。

 リリスに瞬間移動の事を話していなかったな。

 今回はヴィーヴルに瞬間移動で行こうと思っているんだ。

 詳しい説明は空いた時間にでもするとして、取り敢えず、ヴィーヴルと手を繋いでくれ。

 そして、良いと言うまでは、絶対にヴィーヴルの手を離すんじゃないぞ」


「……はい、承知いたしました。

 ヴィーヴル様、失礼いたします」


 リリスは恐る恐る手を差し出して、ヴィーヴルの手を掴んだ。


「ヴィーヴル、頼むよ」


「分かったのじゃ」


 ヴィーヴルは首肯すると、目を瞑った。

 次の瞬間、初めてヴィーヴルと会った湖の畔に到着していた。


「もう良いのじゃ」


「ありがとう、ヴィーヴル。

 済まないが、もう一働き頼んでも良いかな?」


「ゴブリンを探してくれと言うのじゃ?」


「その通りだ、良いかな?」


「もう探しておいたのじゃ。

 3つほど群れがあるが、どれにするのじゃ?」


「街から一番離れている群れは何処か分かるか?」


「少し待つのじゃ……此処から、こっちの方へ行ったところに居る群れなのじゃ」


 そう言って指差したのは、前の俺の家とは少しずれた方向だった。


「それなら、一度、前の家に寄っても良いか? まだ、持って行けるようなものが無いか見ておきたいから」


 そうして、皆で前の俺の家へと向かって歩いた。

 その時になって初めて、リリスが固まって動いていなかったことに気が付いた。


 暫く歩いて、家に着いたのだが……家の周囲は荒れ果てていた。

 草叢を短剣で切り拓き、やっと家の前まで到着して玄関のドアを開けたのだが、掃除したはずの家の中も埃が溜まっている状態だった。


「暫く居なかっただけで、こうも変わるのか……」


 家を売るまでは商業ギルドで最低限の管理はしていたのだろうが、売った後の管理は買った者が管理をしないといけない。

 誰の手も入らない状態だと、短期間でもこうなってしまうらしい。


「無駄足になった様で済まなかったな。

 ゴブリンの群れの方に行ってみるか」


 俺達は、今度こそゴブリンの群れの方に向けて歩き出した。


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