第343話 新しい家の計画
「先程の話にあった魔王領では軍がなくなったことは、我の名で王国へと伝えよう。
さすれば、こちらへ手を出す余裕が無くなるであろう」
「そうなるかな?」
「この村を壁として利用できるであろう。
この村が無くなれば、次は王国であるやも知れぬからな」
「この村を生かしておいた方が、王国としては得られる利益が多くなるってことか」
「暗殺未遂に対する件も、更に強く言えるようになろう。
交渉がしやすくなるのだ」
「そちらの件はルシフェルに任せるよ」
「城を壊させて欲しいのじゃ」
「王族関係者が黒幕だったらな」
その辺もルシフェルに任せよう。
「それで、そのこちらに来る魔族って、いつ来るんだ?」
「荷物を纏めておくように言っておきましたので、2~3日後だと思われます」
「最短で2日だとすると、もう、今日から家を作り直さないと間に合わないな」
「この家は我が消しておくが、ノアが作った家はノアが消しておくのだ」
「分かった。
この話が終わったら消しておくよ」
「新しい家は誰が作るのだ?」
「妾が作るのじゃ。
妾の部屋は妾しか大きさが分からんのじゃ」
「そうだな、じゃあ、ヴィーヴルの部屋以外に必要な部屋は……俺の部屋と……」
「我の部屋、ベルゼバブの部屋、あと来る手伝いが6人でそれぞれの部屋」
「あと、ゴブリン達の部屋も必要だな」
「我の執務室も欲しいのだ。
寝る場所と作業場所は分けておきたい」
「私たちが待機する部屋も、作って頂けると嬉しいです」
暫くの間、新しく作る家について、ルシフェルが平面図を紙へと描いていく。
「こんなものであるな」
「ヴィーヴル、お願いできるか?」
「分かったのじゃ。
更地にされたら、すぐに作るのじゃ」
「装飾はヴィーヴルに任せるよ」
「妾の部屋は色を付けたいのじゃ。
壁を白くしたいのじゃ。
何か良い方法はないのじゃ?」
「俺は分からないけど、ドノバンは何か知っているかも知れないから、聞いてみるよ」
「頼んだのじゃ」
「であるならば、我の部屋も壁に色を付けたいので頼むのだ」
「私もお願いいたします」
「分かった。
どんな色を付けられるのかも聞いておくよ」
土の殺風景な部屋より、色が付けられていた方が落ち着くかもしれないし、良いかも知れない。
村の皆だって、家の壁に色を付けたいかもしれないしな。
ドノバンなら、知識として知っているかも知れない。




