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第341話 魔王領は大変なことになっているらしい(1)

「ルシフェル、邪魔するぞ」


「やっと来たのか。

 余りにも遅かったので、もう来ないのかと思っておったぞ」


「いや、子供達の様子を眺めていたら、少し腰が重くなってしまったようだ。

 済まなかったな」


「心のどこかで、家庭を欲しておるのではないのか?」


「そんなことは無いと思うのだが……いや。心の深い所では、そう思っているのかも知れないな。

 だけど、今はこの生活を維持していくことの方が重要だよ。

 ルシフェルは、家族が欲しいって思ったことは無いのか?」


「我は今まで仕事が忙しく、その様な余裕を持つことが出来なかったであるからな」


「今なら考える余裕もあるだろ?」


「そうであるな。

 だが、今はまだその様な気にならんと言うのが正直なところではあるな」


「どうしてだ?」


「それはな……と、その様な話をしに来たのではあるまい。

 ベルゼバブ、報告を頼む」


 ベルゼバブは、頭を軽く左右に振った後、話を始めた。


「今回、私は魔王領へと行ってきたのですが、魔王領の現状について調査して参りました」


「ちょっと待ってくれ。

 ベルゼバブは魔王領で調査するために、行ってきたのか?」


「はい、その通りです」


 当然だろ、何言っているんだ? と言う様な顔でこちらを見ている。


「魔王領に行きたかったのは、調査するためだったのか?」


「はい、何か問題があったのでしょうか?」


 ベルゼバブは、当たり前の事であるかのように返答してきた。


「いやいや、のんびりしたかったとか、会いたい者が居るからとかの理由で魔王領に行ったものだと思っていたんだが……」


「我がベルゼバブに頼んだのだ。

 ベルゼバブに調査してくるようにな」


「それなら、俺がベルゼバブの願いを叶えたことにならないだろ」


「良いのです。

 私の願いはルシフェル様からご依頼を受ける事でしたから」


「あの晩に、ベルゼバブより相談されてな。

 それで、調査してくるように頼んだのだ。

 ノアに、もっと酒を出させるように頼んでくれと言ったのだがな……」


「それはなりません」


「という事なのだよ」


 願いを叶えるだけだと思っていたのに、何故、こんな複雑なことになってしまったのだろうか? こんなつもりは全くなかったのに……


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