表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/366

第339話 ベルゼバブ、一時帰郷へ

「ルシフェル様、行って参ります。

 ノア様、ルシフェル様の事、くれぐれもお願いいたします」


「何も心配することは無いのだ。

 せいぜい、羽を伸ばして来るが良いぞ」


「ルシフェルの事はちゃんと見張っておく。

 ゆっくりして来ると良いさ」


 ベルゼバブは顔を上げて身を翻し、魔王領の方向へと飛んで行った。

 以前のゲーム大会で1位になった事により、叶えられた願いだ。


 幹部会が開かれた次の日は装備の店を開く予定だったので、今日が帰郷する日となった。

 泊まって来ても良いと言ったのだが、夜遅くなっても朝までには此方へと帰ってくると、頑として譲らなかった。

 魔王領が荒れているらしいので、それほど長く滞在したくは無いのだろうか?


「我はこれから、例の件についての報告に目を通すつもりであるが、ノアも見るか?」


「あぁ、見させてもらうよ」


 例の件とは、暗殺未遂の事だ。

 2~3日前の出来事だと言うのに、中間報告らしいのだが、報告が上がって来たという事に驚いた。

 あちらも本気で取り組んでいると言う、意思表示であろうか?


「今のところ、辺境伯が容疑者として挙がっているとの事だ」


「辺境伯か……ありえなくは無いな」


 橋を壊したことによる報復と考えられなくも無いし、単純に王国を脅かす敵として刺客を放ったとも考えられる。


「今後も調査を続けるが、今は手掛かりをなるべく多く集める段階の様であるな」


「相手も、そう簡単に尻尾を出さないだろうからな。

 まぁ、頑張って貰おう」


「そうであるな」


 ルシフェルは俺に報告書を渡してくれた。

 学が無い為に意味の分からない所もあったが、大まかにはルシフェルが言っていた通りであろう。


 ルシフェルは返答を書いている。

 此方で知り得た情報でも書いているのであろうか? 暫くして、外で待機しているハーピーを呼び出して書類を渡していた。

 砦に居る門番に言付かって、報告を持ってきた者に渡すようにでもするのだろう。


 そんな感じで、ルシフェルは自分の仕事を熟していた。

 とは言え、この村はそれほど大きな村ではない。

 ルシフェルの手が必要な事なんて高が知れている。


 机の上に置かれていた書類は、直ぐに処理し終えていた。


「今日の仕事は終わりであるな」


「ご苦労様。

 いつもはこの後、どうしているんだ?」


「魔法の研究をしたりだな。

 魔法陣を使わずに魔法を行使するには、どの様にすれば良いのか? などだな」


「あぁ、魔族とドラゴンでは魔法の発動方法が違うんだったな」


「以前はこの様なことを考える暇も無かったのでな。

 此処に来て生き返った感じであるな」


「それは良かった」


「ここで、酒を飲みながら出来れば最高なのだが?」


「それは駄目だ。

 晩酌まで我慢するんだな」


「少し位、良いであろう?」


「ベルゼバブにきつく言われているからな。

 そんなことしたら、俺が怒られる。

 代わりに、これをやるよ」


 ストレージの中からドライフルーツを取り出した。


「要らないのだ」


「それならば、代わりに妾が貰うのじゃ」


 そう言って、ヴィーヴルは俺の手からドライフルーツを奪うかのように持って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ