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第336話 ルシフェルへの侵入者報告

「ルシフェル、ちょっと良いか?」


 砦に来ているルシフェルの元を訪ねた。

 今日は、料理店の開店日と言うことで王国の使者も食事をしに来ると聞いていたので、ご相伴に預かろうとルシフェルも後からやって来ていた。


「どうかしたのか?」


「実はな、先ほどファーティから穴を掘って侵入しようとしている者がいると教えられて、捕まえてきたんだがな」


「ふむ、その様な事があったのか」


「その侵入者の狙いが、俺かルシフェルの首だった様なんだ」


「村の重要人物の首を狙うのは、常套手段ではあるな」


「俺が居なくなっても……と言う気はしないではないが、それは置いておくとして、ルシフェルは何処の手の者だと考える?」


「ふむ、その者は亜人であったのか?」


「いいや、普通の人間だ。

 冒険者だとは思うが、真っ当な冒険者ではないだろうな」


「人間か……ならば、王国であろうな」


「やっぱりそうだよな。

 王国以外で俺達を狙う意味が無いものな」


「他の国が王国に責任を押し付ける為と考えた場合、暗殺に成功した場合には得られるものが何もない。

 失敗を前提として送り込むとしたら、その様な事を受ける冒険者もおらんであろう。

 失敗したら報酬が貰えぬであろうからな」


「それに、俺の事を知っていた、ということも気になるんだよな。

 あいつら、俺ことを村長だって知っていた様なんだ」


「その不審者は、見知らぬ者であったのか?」


「見知った者は居なかったな。

 尤も、元居たパーティの『烈火の剣』自体は結構上位のパーティだったから、一方的に知られている可能性はあるが」


「知る可能性があるのは、あとは、以前に門と橋を壊した時だな」


「あぁ、ただ、そこから『烈火の剣』に繋がるのは難しいと思うが、冒険者が居合わせれば或いは……」


「成程な」


「それに、開店日である今日、侵入しようとしたと言うのもな。

 開店に合わせて警備が手薄になるであろう日を狙ったとも思える」


「他国が急いで準備しようとも、間に合わぬであろうな」


「どちらも、王国でなければ難しいと思うんだが、どうだろうか?」


「王国の手の者と見て、間違いないであろう。

 で、その者たちは如何いたしたのだ?」


「忍び込もうとした壁のところに、簡易的な牢屋を作ってぶち込んであるよ。

 まだ聞きたいこともあるしな」


「では、そやつらは我が預かろう。

 アザゼルも此方へ来ておることだから、あやつに尋問をさせるのだ。

 あやつに任せておけば、全て聞き出すことも出来よう」


 あの言い方だと、ただの尋問で終わりそうもないな。

 アザゼルは他種族を見下しているようだし、しかも、ルシフェルの命を狙ったと分かれば……


「結構、素直になっているから、手加減してやってくれよ」


 心ばかりではあるが、庇っておいた。


「ノアも命を狙われたのであろう。

 甘いとは思わぬのか?」


「そうなんだけど、未然に防げた訳だし、俺自身もあいつ等に多少なりとも仕返しできたから、もう良いかと思ってな」


「それがノアなのじゃ」


 ヴィーヴルの言葉にルシフェルが「そうであるな」と呟いていた。


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