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第332話 それぞれの願い

 カード大会から一夜明け、晩飯の前に1位になった者から願い事を聞いた。


 ベルゼバブからは、1日だけで良いので、魔王領へ帰りたいので、その間のルシフェルのサポートを頼まれた。

 サポートとは言っているが、要はお目付け役と言う事だろう。


 アルルからは、新しい片手剣を作って欲しいとのことだったので、ドノバンに頼んで作って貰えるように手配しよう。

 どうせなら、ミスリルかオリハルコンを使って作った方が、大会の賞品らしくて良いだろう。


 トロワからは、もっとゴブリンの仲間が欲しいと言われたのだが……こればかりは、俺がゴブリンと出会わなければどうしようもない。

 極力、出会ったら村へ連れてこられるように説得はしてみるということで了承してもらえた。


 村民が増えるということは食料がそれだけ必要になるのだけど、ストレージに入っている金貨はまだまだ潤沢にある。

 ゴブリンは小柄なためか消費する食料も少ないし何でも食べるので、今のこの村では食料問題の障害となることはほぼない。

 それに、畑の世話をしてもらうことを考えると、ゴブリンが増えた方がありがたい。

 研磨職人となることを希望する者も出てくるかもしれない。

 こう考えると、ゴブリン達の力添えはこの村では欠かせないものとなっている。


 最後にアイリスの希望であるが、こちらはドワーフの子供を連れてきて欲しいとのことだった。

 そのままだと、誘拐とかと勘違いされてしまうから止めて欲しいのだが、子供だから仕方がない。

 要は、同族の遊び友達が欲しいのだろう。


 村に亜人は増えたし、子供の数も増えてはいる。

 しかし、同族であるドワーフの、しかも子供はアイリスだけだ。

 やはり、異種族と同族では何か違うのであろう。


 こちらも、家族ごと村への移住を考えてくれそうな人を探すということになった。


「それなら、私も手伝うわよ」


 イルデが告げてくれた。

 人間の俺が声を掛けるよりは、同族であるイルデの方が探しやすいだろう。


「ありがとう、よろしく頼むよ」


「希望者を見つけたら、ノアさんに伝えれば良いのよね?」


「あぁ、一応だが、移住しても大丈夫そうか俺も確認したいしな」


「大丈夫よ。

 それに、あの人が迷惑を掛けちゃったからね」


「それはもう気にしなくていいぞ。

 ドノバンも反省したようだし。

 その代わりと言っては何だが、アルルの武器を作って貰おうと思っているよ。

 大会の賞品となるものだから、きっと、良いものを作ってくれるはずさ」


「分かっておるのじゃよ。

 今までにない、良い物に仕上げるつもりじゃよ」


「素材は後で渡すから、頼むよ」


「任せるのじゃ」


「うわ~、今から期待して良いのかな?」


「あぁ、きっとその期待にこたえられるものが出来てくると思うぞ」


 晩飯の後、ヴィーヴルと共に洞窟の中へと入り、ミスリルとオリハルコンの塊を拾って帰ってきた。

 そのままドノバンの家へと向かい、どちらでアルルの剣を打つか話し合ったのだが、両方で作ってアルルに選ばせようと言う事になった。

 オリハルコンの方が硬くてしなやかさもあるのだが、ミスリルの方が軽くて扱いやすい。

 アルルの体格を考えるとミスリルなのだが、あれから鍛錬を続けていたのでオリハルコンも扱えるかもしれない。

 なので、本人に選ばせようという事になったのだ。


 ドノバンがミスリルとオリハルコンの合金を作れるようになるのは、まだまだ後の話だ。


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