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第33話 ゴブリン達と帰ろう

 ゴブリン5体を連れて家へと帰っている道すがら、自分の名前すら言っていなかったのを思い出した。


「名前を言い忘れていたが、俺の名前はノアだ。

 よろしく頼む」


『よろしくお願いしますね』

『お願いしますね』

『よろしくおねがいします』

『おねがいします』

『おねがいします』


「お前たちの名前を教えてくれないか?」


 ゴブリン達が互いを見合って首をかしげている。


「どうした?

 名前を教えて欲しいだけなんだが……」


『ゴブリンは名前なんて持っていませんよ』


 話を聞くと、どうやらゴブリンに限らず下位の魔物は名前を持っていないとのことだった。


「今後、生活する上で名前がないと俺がお前たちを呼ぶことができないと困るんだ。

 だから、自分で自分の名前を決めて欲しい」


『名前って、どういう風に決めたら良いんでしょう?』


「何でも良いんだ。

 花の名前や動物の名前から付けたり、住んでいる場所から付けたりとか」


『ノア様の名前は、どうしてノア様なのですか?』


「様はいらないよ、ノアで良い。

 それで、俺の名前は俺の親が付けてくれたんだよ。

 人間は、親が生まれた子供に名前を付けるんだ。

 ノアっていう名前は、昔、立派な人にノアっていう人がいて、それを付けたと親に聞いたことがある」


『じゃあ、私もノアにしますね』

『私もノアにします』

『わたしものあにする~』

『ぼくものあにしたいな』

『ぼくも……のあで……』


「おいおい、みんなノアだったら名前がないのと一緒だぞ。

 どうしても決められないのなら、俺も一緒に考えるから、もう少し考えてみてくれ」


 歩きながら、ゴブリン達は懸命に自分の名前を考えていた。

 自分で自分の名前を考えるなんて、俺も言われたら悩むかもしれないが、良い機会かもしれないから良い名前を考えて欲しい。


(自分で言うのも何だが、俺は名づけのセンスなんてないと思うから、俺と一緒に考えても良い名前なんて思い浮かばないぞ)


 声には出さないが、そう思っていた。


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