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第324話 村では大会の準備中

「準備を丸投げしてきたような感じになったけど、良かったのかな?」


「気にする必要はないのじゃ。

 ルシフェルが上手いこと纏めている筈なのじゃ」


「でも、やっぱり気になるんだよ。

 ルシフェルなら間違いないとは思うんだけど、実際に見ていないと落ち着かないと言うか……」


「もう、どうする事もできないのじゃ。

 気になるというのは、ルシフェルのことを信用していないという事でもあるのじゃ」


「信用しているけど……いや、心の片隅にでもそういう考えがあるのかも知れないな。

 酒を飲んでないと良いな、という考えがあったのかもな」


「その点はベルゼバブが、きっちり監視しておるから間違いないのじゃ」


「そうだな、ベルゼバブなら間違いないな。

 そう考えると、何も心配する必要は無いな」


 ルシフェルの隣には必ずベルゼバブが目を光らせている。

 酒を飲まないと言う訳ではないが、自分のやるべき事を残したまま酒を飲むことは無い。


 気持ちを切り替えるためにも、畑の作業をすることにした。

 手持ち無沙汰にしているから、変な考えが起こるんだ。

 何か作業をしていれば、おかしな考えを起こさないで済むはずだ。


 客にはいつもの新人冒険者しかいない。

 盗みをやるような人間には見えないし、盗まれたとしてもヴィーヴルが教えてくれる。


「俺は他の客が来るまで、畑を弄ってくるから、いつも通り好きに見ていてくれ」


「分かりました」


 その新人冒険者が答えた。


「ヴィーヴルはどうする?」


「妾も行くのじゃ」


 外の畑で雑草抜き、虫取りをする。

 ヴィーヴルは木陰で渡したドライフルーツを食べている。


 村で畑の世話をしているキャトル達、子供のゴブリンなら食べきれない程のおやつが目の前にある状況に喜びながら虫取りをするだろう。

 ただ、俺は虫をおやつのように食べることができないので、面倒な作業でしかない。


 今はその面倒な作業の方が、余計なことを考えないで済むので良いだろう。


「ノアさん、ありがとうございました。

 また今度きますね」


 店の中にいたはずの新人冒険者から声が掛けられた。

 いつの間にか閉店の時間になっていたようだ。


「おぅ、気を付けて帰るんだぞ」


「はい」


「ヴィーヴル、俺は店を閉める作業をするよ」


「分かったのじゃ」


 店の前に出していた看板をしまい、ドアに掛けてあった木の板を『CLOSE』の側に向けた。


 あとは、果物の露店の女将が来るのを待つだけだ。

 家の中で待っているとまた余計な事ばかり考えてしまうだろうから、畑の作業を再開した。


 暫くして、露店の女将が荷車を引いてやってきた。

 いつも通り、荷車のものを全部引き取り、倉庫へと運んだ。

 今回の代金は金貨5枚だった。


「今回は、街にも用事があるから、一緒に行くよ」


 街に、カード以外の娯楽があれば良いのだが……


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