第321話 大会準備の打ち合わせ
ルシフェルの作った準備の資料を元に、責任者が集まり自分の割り当てを検討する。
食堂の責任者はアイリスだが、流石にアイリスだけに責任を押し付けるのは問題なので、アイリスと並んで台所に立っているアリシアにも来てもらった。
アリシアは出張料理店でもアイリスと並んで料理することになっているので、丁度良い。
「料理店の次の日から、大会中の食事を作って貰う事になるけど、大丈夫かな?」
「えぇ、問題ないと思います」
「だいじょうぶだよ~」
「何日ぐらいで用意できるかな?」
「今まで、作り溜めしておいたものもありますので、1日で作れると思いますよ」
「そうだね~」
「分かった。
次は……机と椅子ってあるけど、食堂ので良いか?」
「それでも良いが、戦いには戦うに相応しい舞台が必要となるであろう」
「相応しい舞台?」
「普段ならば、食堂の机、椅子で十分であろう。
ただ、大会とするのならば、それなりの机と椅子を用意した方が盛り上がろう」
「それはそうだが……」
「では、鍛冶と家具工房で用意しよう」
ドノバンの言葉に、家具工房の親方も首肯した。
「それって、どの位で出来るかな?」
「そうじゃな、3日もあれば出来るじゃろうか?」
「そうだな」
ドノバンと家具工房の親方は、作成日数を3日と見込んだようだ。
「ドノバン、飾り付け用に磨いた水晶とかは必要か?」
「今回は不要じゃろう」
「分かった。
ドゥーズは、今まで通りに作業を進めてくれ」
『分かりました』
「後は……この勲章ってなんだ?」
「勝ったものには望みの物が貰える事になっておるが、その他にも、決勝まで進んだものには勲章を与えても良いと思うのだ」
「あぁ、それは良いかも知れないな」
「では、それはうちと革工房で作るわよ」
イルデの言葉に、革工房の親方が「中に宝石も入れてみてはどうだ?」と続けた。
「ドノバン、勲章に回せるだけの分はあるか?」
「何個必要になるのじゃろうか?」
「えっと、2種類のゲームで、決勝まで残った4人に渡すのだから……8つ必要だな」
「ノアよ、大人と子供で別れて行うのであるから、16個必要であるぞ」
ルシフェルが補足してくれた。
「16個か……それ程は無いじゃろうな」
「それならば、1位と2位の者に贈ることでどうであろうか? これならば8個で済むであろう」
「8個ならばあったはずじゃ」
「それじゃ、ドノバンからイルデに渡しておいてくれ」
「分かったわ」
「分かったのじゃ」
「8個の勲章を作るのに、どの位掛かるかな?」
「そうね、2日もあれば出来ると思うわよ」
「それならば、問題なさそうだな」
その他の項目も確認していく。
「設営って言うのは、当日作業だよな?」
「そうであるな。
これは、鍛冶工房と家具工房の者が、作ったものを当日運び込めば良いであろう」
「こんなものか……あとは何かあるかな?」
「食べ物は、何時持って行けば良いのでしょうか?」
「大会の日に朝から置いておいて、好きな時に摘まむ感じで良いと思う」
「それならば、設営の中に食べ物も含むのですよね?」
「そうだな……そうなると、食堂の机と椅子も運んでおく必要があるのか」
「それは、手の空いている者が運べば良いと思うわ」
「良し、他にはあるかな? 無いようなら、日程を決めようと思うんだが……」
周りを見回したが、誰からも返答が無いようなので、日程を決めよう。
「必要なものが揃うのが、開店の次の日で準備が終わるようだから、開店の2日後に大会を行おう。
その間の準備の進み具合や問題が起きたら、ルシフェルに伝えてくれ」




