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第268話 事後処理

「ルシフェル、帰って貰う為の良い方法は無いかな?」


 未明の奇襲攻撃から3日後、未だに軍は森の外にではあるが駐留している。

 あれ以来、こちらへ来ることは無いのだが、その場に留まっていると言うだけでもあまり気持ちの良いものではない。

 何とか軍を撤退させられないかと、ルシフェルの所へ相談に来ていた。


「あちらも、このままでは帰れんだろうしな。

 何もして来ないのだから、放って置くしかあるまい」


「そうなんだけどな……」


「ノア、報復措置には行かんのじゃ? 今度は妾が壊しに行くのじゃ」


「そうだな……落ち着いて来たから、そろそろ良いかも知れないな?」


「その時に、軍を退かねば更なる破壊を伴うと脅せば良い。

 さすれば、相手としては軍を退くしかなかろう」


「その辺の交渉は、ルシフェルに任せても良いか?」


「分かったのだ。

 明日にでも、使者として敵陣へ参ろう」


「お供させていただきます」


 ベルゼバブは、当然の様に言い放った。

 俺としても、ルシフェルを1人だけで敵陣へと行かせるつもりは無いので、願ったり叶ったりではある。


「序に報復措置の実行日も、その時に決めて来てくれ」


「分かったのだ」


 ヴィーヴルは城を壊してみたいと言っていたが、流石に難しいだろう。

 今回も門と橋を壊すだけかも知れない。

 ただ、それぞれ2つずつ壊す感じか? 争いが終わるたびに壊す数を増やしていけば、あちらへの良い牽制になるだろう。


 次の日、ルシフェルはベルゼバブを伴って森の外にある敵陣へと出向いた。

 昼前には話し合いを終え、微笑みながら帰って来た。


「争いは終結することとなった。

 敵は軍を退くこととなったのだ」


「そうか、それは良かった」


「それで、報復措置だが、今回は行わない方向で検討する事となった」


「それだと、また攻めて来るだろ? 相手にも痛い目に遭って貰わないと」


「それについては、賠償金を支払う事で検討するという事になった。

 提示された額でこちらが納得できなければ、施設の破壊を行うという事も伝えてある」


「分かった。

 それが最善だろうな。

 その、提示額が妥当かどうかはルシフェルが判断してくれ。

 元冒険者の俺には、想像がつかないからな」


「分かったのだ。

 我の国家経営の経験が、このような形で役立つとは思わんかったのだ」


 そう言い残して、ベルゼバブと賠償金の額について相談し始めた。

 納得できる最低限の額を算出しているのであろう。


「ノア、壊せないのじゃ?」


「彼方次第だけど、壊せないかもしれないな」


「つまらないのじゃ」


「そんなに、城を壊したかったのか?」


「妾が隠れ住んでいるのに、人間はあのような大きなものを作り、堂々と過ごしておったのじゃ。

 嫌でも、思うところが出てくるのじゃ」


「それは……そうかも知れないが……それじゃあ、今回の賠償金でいつもの露店の果物を買い占めてみるか。

 全部、ヴィーヴルが食べても良いぞ」


「本当なのじゃ? 約束なのじゃ」


「あぁ、賠償金が入ったらな。

 それ位は訳ないだろうしな」


「楽しみなのじゃ」


 全てが良い方向に解決しそうで、本当に良かった。


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