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第260話 第二次防衛戦(1)

『王国の方から10名ほどの人間が此方へと向かって来ているようです』


 ムッティーがファーティからの伝言を伝えてくれた。


「そうか、ありがとう」


「ムッティーは何と?」


「ファーティからの伝言で、王国の奴らが来たようだ」


「早速のお出ましだな。

 それで、このまま通すのか?」


「出来れば、此方への被害は無い方が良いからな。

 ルシフェル、手伝って貰えるか?」


「良いぞ」


「ありがとう。

 じゃあ、ムッティー、アインスかツヴァイを此処に呼んでもらえるか?」


『承知しました。

 少々お待ちください』


 ムッティーが遠吠えでどちらかを呼んでいる。

 少し経って、ほぼ同時だが、アインス、ツヴァイの順で2頭ともやって来た。


「どちらかにファーティの所まで案内して欲しかったのだけど……お願いできるかな?」


『『では、我が参りましょう』』


 2頭の声が重なった。

 俺としてはどちらでも構わないのだが、2頭ともにお願いするほどでもない。

 困っていると、ムッティーから解決案が出された。


『今回は、多少なりとも早く此方へと参った、アインスで宜しいでしょう』


「分かった。

 アインス、お願いできるか?」


『承知しました』


「じゃあ、ツヴァイは元の作業に戻って貰えるか?」


『承知しました』


「じゃあ、アインス、案内を頼む。

 ルシフェル、一緒に空を飛んで連れて行って貰えるか?」


「分かったのだ」


「それでしたら、私が連れて参ります」


 ベルゼバブからの申し出があった。

 ベルゼバブに連れて行って貰うという事は、出荷状態だから出来るだけ避けたいのだが……


「空を行くのなら、妾が連れて行くのじゃ」


 ヴィーヴルからの有難い申し出があった。

 出荷されるよりは断然良いだろう。


「ヴィーヴル、お願いして良いかな?」


「任せるのじゃ」


「それでは、私は留守番をいたしております」


 ベルゼバブが引き下がってくれた。

 出荷されずに済んで、何よりだ。

 俺はアインスを抱えて、ヴィーヴルに抱えられてアインスの案内でツヴァイの下へと移動した。


 到着してみると、ファーティは見つからない様に監視を続けていた。

 森の中は魔犬の領域だ、人間の探索、監視などお手の物であろう。


 森の中を進む人間の集団は兵士だった。

 先発隊であろうか? その割には重装備で、かつ他の者が見当たらないのだが?


「どうするのだ?」


 ルシフェルに聞かれた。


「この先に少し拓けた所があったけど、そこに誘導出来ないか?」


「木を切り倒したり、土魔法で壁を作れば、そちらへと誘導できようぞ」


「ヴィーヴル、そこに穴を開けることはできるか?」


「簡単なのじゃ」


「良し、じゃあ、ルシフェルはそこへ誘導させてくれ。

 ヴィーヴルは俺をそこに連れて行ってくれ。

 ファーティとアインスは周りに他の人間がいないか、探索してくれ」


「分かったのだ」

「分かったのじゃ」

『御意』

『承知しました』


 それぞれが、それぞれの役割を果たすために別れる。

 俺とファーティも少し拓けた場所へと移動した。


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