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第258話 宣戦布告

「ノア、王国から、再び使者が参ったのだ。

 今回は宣戦布告の書状であるぞ」


「徹底的にやり合うって事か」


「普通に考えれば、国と村との戦いであるからな。

 戦力が違いすぎ、戦いになぞならぬ」


「まぁ、そうだよな」


「前回、門を壊されたのは不意打ちの為だ。

 そのような事には屈しないと言っておったぞ」


「不意打ちにならない様に、伝令に帰って貰ったんだけどな」


「通達など無かったことにしたのであろう。

 時にノアよ、この村は何という名前なのだ?」


「そう言えば、村の名前を決めていなかったな。

 今更ながら決めた方が良いか?」


「使者が困っておったのだ。

 仕方なく『此方の村』と言っておったがの」


「戦おうにも、相手の村に名前が無いと、何て言って良いのか分からないって事か」


「それだけではないが、村の名前が無いと、何かと不便であるぞ」


「名前ねぇ……皆の意見を聞きたいから、晩飯で集まった時にでも話し合おう」


「ノアが決めても良いのではないか? 多分、反対するものなぞ居ないと思われるぞ」


「俺は、自分で言うのも何だが、壊滅的に名付け下手だと思うからな。

 皆に考えてもらった方が、良い名前が出て来るんじゃないかと思うんだ」


 ルシフェルが不敵な笑みを浮かべているのが気になるが、話し合って決めることとなった。


「それでだな、今後の戦いについてなのだが……」


 ルシフェルと、来たる王国との戦いについて話していく。


 方針としては以下の様に決定された。


・昼間の間、ルシフェルが空より、ファーティが地上より王国側の動向を見張る。

・外側の壁の通路に扉を付けてもらい、門番はそこで備える。

・夜間は俺が内側の門の小部屋で生活する。

・連絡係のケンタウロスも交代で昼夜交代で配置する。

・戦闘は外側の壁で行い、村への影響が無いようにする。

・ヴィーヴルとルシフェルが壁の上に立ち、此処へと攻め入ようとする敵を撃退する。

・正面通路は俺とアルルで守る。

・ファーティとムッティーはそれぞれ、連絡係として俺とヴィーヴルへと付き添う。

・その他の魔犬には俺達の目が及ばない外壁へと配置し、敵襲があった時の連絡係とする。


 俺が正面通路を任されたのは、信頼されてではない。

 むしろ、信用されていないのだろう。


 前回の戦いでは司令官を捕まえて帰って来たのだが、一歩間違えれば俺が捕まっていたかもしれない。

 そうなると、此方は降伏せざるを得ない。

 言外にはされていないが、俺の行動を抑制する為だろう。

 俺以外の誰かが捕まっても、降伏するしかないのだけどな……


 後で他の男たちが『俺達も一緒に戦うぞ』と言ってくれたが、村への備えとして残って貰うように説得した。

 いざ戦いが始まったら、食堂に皆を集めてそこで備えてもらった方が、安心して戦える。

 大勢が一斉に忍び込むことなんて出来ないだろうから、村に居る男たちだけでも十分に凌げる筈だ。


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