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第244話 魔族が街にやってくる(1)

「ドワーフの街に、1人の魔族が度々現れているらしい」


 街へ買い出しに行って帰って来た晩酌の席で、ルシフェルに話した。


「我は行っておらぬぞ」


「魔族で酒と聞いたので、ルシフェルかとも思ったんだけどな」


「第一、我は毎日、魔族領側の見張りをしておる。

 街へは行けぬであろう」


「そうだよな。

 もし、逃げたらベルゼバブが黙ってはいないだろうしな」


「お呼びになられましたか?」


 ベルゼバブが、台所から持ってきた酒の肴をルシフェルの前に置きながら聞いて来た。


「丁度良いところに。

 ベルゼバブ、最近、街に魔族が現れているらしいのだけど、何か聞いたことは無いか?」


「ありませんね。

 その魔族は、街へ行って何をしているのですか?」


「何もせずに帰るそうだ」


「何もしないのですか?」


「あぁ、街の上を1周飛んで帰るだけだそうだ」


「何かを探しているのでしょうか?」


「かも知れない……なんにせよ、相手は空を飛んでいるだけで何もしないから、街側としてもどう対処していいのか困っているそうだよ」


「そうなのですか」


「であれば、我がその魔族に聞いてみようぞ」


「お願いできるか?」


「うむ、我も気になるでの」


「頼むよ。

 同じ魔族同士の方が話が早いだろうしな」


「任せるが良かろう。

 それで、何時行けば良いのであるか?」


「そうだな……明日、街の店に行って世話役を紹介してもらって、その世話役と話してからだから、早くても明後日辺りだろうと思う」


「分かったのだ」


 その後は、いつも通りの晩酌が行われた。


 次の日になって、俺とヴィーヴルは再び街へと向かった。

 昨日、話を聞いた店へ行き、世話役を紹介してもらう事となり、世話役の下へと赴いた。

 そして、此方の村には魔族が住んでおり、その魔族に度々やってくる魔族に事情を聞いてもらうと言うことを提案した。

 世話役も始めは半信半疑だったが、このままでは埒が明かないことを悟っており、此方の提案に乗ることを了承してもらった。

 何故、この街の為に骨を折ってくれるのか? と聞かれたが、「困った時はお互い様だろ」とだけ答えておいた。


 俺としては、この街が無くなってしまっては、非常に困ってしまうからに他ならない。

 仕入れの為に利用しているし、装備を売っている店もあるのだから。


 この街が無くなったら、他に仕入れを行う街を探さないといけない。

 王国側にも街が無いわけではないが、王国側とは1度ではあるが戦闘した。

 俺に物を売らないという事も十分あり得る。

 王国側に生殺与奪の権利を握らせるのは良くない。

 せめて、自給自足が確立するまでは、この街には残っていて欲しい。


「では、領主様とも会って貰えぬか? 領主様の許可もいるし、報酬についても相談しよう」


「分かった、同伴させてもらうよ」


 世話役からついには領主と会うことになった。

 面倒なことにならなければ良いのだが……


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