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第239話 新食堂を作ろう(1)

「ここはこの位で作って貰えるかしら?」


 イルデの指示を受けて、台所を作っていく。

 以前の台所は人間の大人基準で作っていたため、アイリスが扱うには何もかもが高く大きすぎた。

 アイリスの基準で作ろうかと思ったのだが、成長期である今の状態で作ってしまうと、今度は低くなってしまう可能性があった。

 それならばという事で、大人のドワーフであるイルデ基準で作ろうという事になった。

 暫くの間はアイリスにとって高く感じるだろうが、成長すれば丁度良くなる筈だ。

 それに、今のアイリスに合わせてしまうと、今度は手伝っている者では低すぎて扱いが大変になるので、間を取った形になった。


 台所も広くなったが、食卓も広くなっている。

 ミノタウロスやケンタウロスが入ってきても、窮屈にならない程に天井も高くしてある。

 これで、皆で一緒に食べることができるだろう。

 大勢で食べた方が、同じ料理でも美味しく感じられるだろうからな。


 そうして作り上げた食堂は、村で一番大きい建物となった。

 食は大事だ。

 此処に多くの資源を割くのは当然のことだと思う。


 テーブルや椅子は家具職人が一生懸命作っている。

 一生懸命に作っているのだが1人しか居ないので、手が全くと言っていいほどに足りていなかった。

 そこで、木の扱いに慣れてきた木こりたちにも手伝って貰っている。

 木の運搬、木材を材料への加工は木こりたちが行い、材料への加工の指示、細かな加工などは家具職人が行うと分業で進めているようだ。


 そんな大人たちと一緒になって、働いている子供達もいる。

 作業を見ていて、自分達も手伝いたいと言ってきた子供達だ。

 家具職人になりたいと言ってきた子供には、自分の椅子を作らせるそうだ。


 1人だけ、オーガの子供が俺と同じように魔法を使いたいと言って来た時には困ってしまった。

 俺の魔法はヴィーヴルの加護があるから使えるだけで、どういう風に教えたらいいのか見当もつかない。

 ヴィーヴルに相談しても、「種族的なものだから、教え方なぞ知らんのじゃ」と一蹴されてしまった。


 どうやって教えたらいいのか分からないことを伝え、今回は諦めてもらったが、魔法を教えてくれるような先生を連れてきたい。

 魔法に限らず、色々な職業の先生となる者は必要だろう。

 問題は、こんな所まで来てくれる者がいるかどうかなのだが……


 ちなみにだが、その子は今、冒険者を目指してアルルの下で修行に励んでいる。

 魔法は使えなくても、剣術を覚えれば冒険者として活躍できる。

 その子以外にも、アルルの下には5人の弟子が居る。

 アルルも自分が弟子を持てるとは考えてもいなかったようだ。


 話を戻そう。


 イルデの指示通りに台所を完成させることが出来た。


「あと、水はどうするのかしら?」


「あぁ、水は道の反対側にある水路から引いてくるつもりだ」


「そうなのね。

 それじゃあ、此処にこの位の大きさで水溜めを2つ作って貰えるかしら? そして、水路と繋げてちょうだい」


 イルデが両手を大きく広げて大きさを指示した。


「2つ必要なのか?」


「えぇ、1つは野菜を洗う為、もう1つは料理の時に使う為の物よ」


「分かった」


 イルデに指示された場所に土魔法で箱を2つ作った。


「水路とは後で繋げておくよ。

 後は何かあるか?」


「そうね。

 大体、これで終わりだと思うわ。

 後はアイリスが実際に使ってみてから、必要なものがあるかも知れないけど」


「じゃあ、俺は水路を繋げてくるよ。

 色々と教えてくれて、ありがとうな」


「いいえ、アイリスの為でもあるんだから構わないわよ」


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