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第237話 新たなる魔族の来訪(1)

「ノアよ、ちょっと話があるのだが良いだろうか?」


 新たに作られた開拓地で、新たな食堂を作ろうとした矢先にルシフェルに後ろから声が掛けられた。

 振り返ると、ルシフェルの隣には見たことが無い魔族の男が立っていた。


「何だ? ……ルシフェル、そっちの人は魔族だよな?」


「ルシフェル様を呼び捨てなどとは、殺してくれよう」


「待つのだ。

 ノアには我を呼び捨てることを許しておる」


「ですが……出過ぎた真似をいたしましたことを、ご容赦ください」


 ルシフェルが、無言の圧力を掛けたようだ。


「紹介しよう、こいつは我の元部下でアザゼルだ」


「アザゼルだ」


「此処の村長で、ノアだ。

 よろしく頼む」


 握手しようとして手を差し出したが、アザゼルから手が差し出されることはなかった。


「我は人間などと慣れ合うつもりは無い」


「そうか……ルシフェル、話というのは何だ?」


 俺は、差し出した手を引っ込めながら言った。


「うむ、アザゼルもこちらに住まわせてもらえぬかという話だったのだが……」


「いや、無理だろ? 今までの事を見ていたよな?」


「うむ……」


「我が住んでやると言うんだ。

 有難く思うのだな」


「ルシフェル、何があったんだ?」


「どうやら、話が長くなりそうであるな。

 食堂へと行かぬか?」


「あぁ、そうするか……ヴィーヴル、俺はルシフェルと話をしに食堂へ行ってくるよ」


「妾も付いて行っても良いのじゃ?」


 ルシフェルの方を見ると、首肯した。


「構わんそうだ」


「じゃあ、移動しようか……アザゼルさんだったか? 手を出して貰えるか?」


「我が、人間ごときの命令を受ける必要はない」と、拒否されてしまった。


「それじゃ、俺達は先に食堂に行っているから、ルシフェルが責任持って連れて来てくれよ」


「分かったのだ」


「じゃあヴィーヴル、行こうか」


 ヴィーヴルの手を取り、瞬間移動で食堂の前まで移動した。

 アザゼルが驚いていたというのは、後からルシフェルから伝え聞いた。

 先ほどは話が途中になってしまったが、村に住むような事を言っていた。

 何だか嫌な予感というか、厄介事が舞い込んできた様な気がする。


 食堂で暫く待っていると、ルシフェルがアザゼルを引き連れてやって来た。


「それで、アザゼルさんだっけ? が、此処に住むと言うのはどう言う事だろうか?」


「住んでやるのだ。

 有難く思い、受け入れるのだ」


「ルシフェル、この様子じゃ、とてもじゃないが受け入れられないぞ」


「そうであるな……」


「ルシフェル様、この様な人間に何を窺う必要がありましょうか?」


「お主は黙っておれ。

 我は今、ノアと話しておるのだ」


「ルシフェル、始めから説明してもらえるかな?」


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