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第229話 門の破壊(1)

「明日、約束の10日目だけど、ルシフェル、ベルゼバブ、準備は良いか?」


 晩酌の席で、明日の事について確認した。


「うむ、朝から飛んでいけば、夕方までには帰って来られよう」


「ノア様は、以前、魔王領へ向かった時と同じように、箱に入って頂きます」


 あれか……何か出荷されるみたいで嫌なのだが、仕方がないか。


「分かった、よろしく頼む。

 先に王都へ行って門を壊す。

 帰りに途中の橋を壊すって順番で考えているのだけど、良いか?」


「構わんだろう」


「橋を壊すのは、私にお任せくださいますでしょうか?」


「良いけど、何かあったか?」


「いえ、偶には何かを気兼ねなく壊してみたくなるものですよ」


 色々と鬱憤が溜まっているのだろう。

 問い詰めるのは野暮ってものだ。


「そういうことなら、妾も壊したいのじゃ。

 妾も連れて行くのじゃ」


「ヴィーヴルには、留守を守っていて欲しいからな。

 果物を置いて行くから、今回は我慢してくれ」


「仕方が無いのじゃ。

 次は連れて行くのじゃ」


「次があったらな」


「無いのじゃ?」


「それはあちらさん次第だろ。

 何もされてないのに、ただ壊しには行かないよ。

 それに、次は門で済ませるつもりは無いから」


 朝飯を食べた後、いつもの作業を終わらせてベルゼバブに運んでもらい王都へと向かった。

 その途中に分かったのだが、王都に来る途中にヴィーヴルと出会った湖を見つけた。

 それからちょっと離れた場所に俺の家もあった。

 そこを離れてからまだそれ程経っていないはずなのに、何か妙に懐かしく感じた。

 帰りに寄って貰い、あちらでも使えそうなものをストレージに入れて持っていこうと思う。


 半日ほど飛んで、王都が目の前と言う所まで着いた。

 このまま門まで飛んでいこうかとも思ったが、待ち構えられていたら問答無用に矢が飛んでくるだろうし、何より体裁が悪かったので王都近くに降り立った。

 出荷されているような状態はなぁ……


「門番しかおらんようであるな」


「そうだな、どうやらまともに取り合って貰えなかったんだろうな」


「『10日後に来て、門を壊して帰ります』などとは信じられんのだろうな」


「魔族は飛べるって事を忘れているんじゃないか?」


「そこまで平和呆けするものなのか?」


「最後に魔族が攻めて来た時に生きていた人間はいないからな。

 偉い人の中には、魔族に会うことなく一生を終える人だっているだろうしな」


「早速、門を壊して帰ろうではないか。

 寄る所があるのであろう?」


「あぁ、そうだな……その前に、門番に避難するように言うか」


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