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第220話 王国からの使者

「王国よりの使者だという者が、門前に現れたそうです」


 連絡係となっているケンタウロスが、村まで駆けて来た。


「そうか、いよいよおいでなすったな。

 門前で待たせてあるのか?」


「はい、そうです」


「分かった、連絡してくれてありがとう。

 ヴィーヴル、いよいよだぞ」


「分かったのじゃ、妾も行くのじゃ」


「あぁ、そうしてくれると助かる」


 ヴィーヴルと手を繋いで、門まで瞬間移動でやって来た。

 門にある小部屋を抜け、門の前へ行くと、アルルと使者と思われる男が対峙していた。


「待たせて済まないな、俺がこの村の村長をやっているノアだ」


「使者にもてなしの一つも無いのか?」


「そちらに、此方への敵意が敵意が無いのならばもてなしても良いんだがな。

 どうせ、違うんだろ?」


「まぁ、良いだろう。

 こちらからの要求を伝える。

 勇者の即時引き渡しと、村の財産没収、村の明け渡しだ。

 なお、これらの事が受け入れられない場合には、武力を持って制圧することとなる」


「どれ一つとして飲めない要求ばかりだな。

 いいぜ、こちらは元よりそのつもりだ。

 ただし、こちらも指を咥えて黙っているつもりは無いからな」


「直ぐに後悔する事になるが、良いんだな?」


「そちらが後悔する事になるだけだ」


「此方からは以上だ」


 使者は踵を返し、外側の壁の入口の方へと歩いて行った。


「さてと、ヴィーヴル、済まないがルシフェルを呼んできてくれないか?」


「分かったのじゃ」


「私はどうする?」


「一緒に来てくれ。

 ツヴァイは此処いて、ヴィーヴルに俺達は一足先に外側の壁に向かったことを伝えてくれ。

 あと、ファーティ達に連絡して、全員で俺達の所へ来てくれ」


『承知しました』


「じゃあ、アルル、行くぞ」


「あれ? 瞬間移動で行かないの?」


「今、瞬間移動したら、使者を入り口で出迎える事になるかも知れないからな。

 歩いて行くしかないだろ」


「別にそうなっても良いんじゃないの?」


「今後分かってしまう事があったら仕方がないとは思うが、分かっていないのなら、与える情報は少ない方が良い」


「そっか、分かったよ」


「ツヴァイ、ヴィーヴルにも伝えておいてくれ。

 もし、瞬間移動で来るのなら、俺の近くにしてくれともな」


『承知しました』


 アルルに「遂に来ちゃったか……巻き込んじゃってごめんね」と言われた。


「別に気にする必要はない。

 こうなる流れだったんだし、それに、王国の奴らは村の明け渡しを言ってきたんだ。

 あの地は譲ることはできないからな」


「ヴィーヴルさんが居るから?」


「それもあるが、今はもう、此処でしか生活が成り立たなくなっているしな」


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