第209話 戦闘準備(2)
「必要な素材はこんなもんじゃな」
ドノバンから、皆の武器や防具を揃えるのに必要な素材の量が書かれた紙を受け取った。
・鉄インゴット 15個
・革ひも 1束
「必ず揃えておきたいものは、防具じゃろうな。
防具を全員分作ってから、武器を作ることになるじゃろう」
「これだけで良いのか?」
「そうじゃな、今は鉄とミスリルを合わせる時間も惜しいじゃろうからな」
「それなら、アルルにミスリルの剣を作ってやってくれ。
前に出て戦うのだから、武器の面で不安になるような事はさせたくない」
「ミスリルで剣を作るには、少ないのじゃよ」
「分かった、持ってくるよ。
この間、持ってきたぐらいあれば、剣を作るには十分だろ」
「よし、アルルと打ち合わせるとしよう」
「あと、防具だが、間に合うのか?」
「明日より作るとして、ぎりぎりじゃろうな」
「ドラゴンの鱗を使えば、早く作れるか?」
「じゃが、ヴィーヴル殿が嫌がるであろう」
「身体から直接、剥ごうとするから嫌がるんだよ。
抜け落ちや物でも良いだろ?」
「それじゃと、多少硬さが落ちてしまうのじゃが……いや、今は多少の硬さの違いなど目を瞑るべきじゃな。
それに、抜け落ちたものとは言え、鉄よりは硬いじゃろうしな。
それは、持ってきても良いのか?」
「あぁ、抜け落ちたものなら良いと、前に確認してある。
じゃあ、それを使えば、防具を作るのも早くなるな」
「そうじゃな」
「良し、じゃあ、ミスリルと龍の鱗を持っていくから、工房で待っていてくれ」
「うむ」
俺は部屋を出て、洞窟の前へと歩いて行った。
先ほどの打ち合わせの後、今日は晩酌をしないことになったので、ヴィーヴルはさっさと洞窟の中に引っ込んだ。
洞窟を進んでいくと、暫くして開けた空間へと着いた。
ヴィーヴルが何時も寝ている場所だ。
今も、ヴィーヴルはドラゴンの状態で寝ている。
「ヴィーヴル、武器や防具の素材を取りに来たんだ。
寝ている所、済まないな」
『GURYUUUU』(分かった、勝手にするが良い)
「ありがとう」
ヴィーヴルの横をすり抜けて、抜け落ちた鱗が纏めてある場所へとやって来た。
その全てをストレージの中へとしまい、その場を後にする。
次に、ミスリルやらオリハルコンがある場所へ来て、剣が作れるだろう大きさのミスリルの塊をストレージへと入れて、洞窟の外まで帰って来た。
そのまま、ドノバンの工房へと向かい、ドラゴンの鱗とミスリルの塊を指定された場所へと置いておいた。
「抜け落ちた鱗はこんなにあったのか?」
「ずっと以前に抜け落ちたものもあるからだと思うぞ」
「うむ、確かに、多少古い物もあるようじゃが、大丈夫じゃろ。
これだけあれば、全員分の防具が作れそうじゃな」
「そうか、じゃあ、あとは指示された物を仕入れてくるよ」
「この鱗を使うならば、革ひもを3束ぐらいは必要になるじゃろう」
「分かった、革ひもは3束だな」




