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第203話 不審者発見(1)

 今日は特に急ぎの作業はないので、各人の作業状況を見回った後に開拓地へとやって来た。

 今の所、開拓地までの水路は作っていない、作らない。

 ドノバンに止められているからだ。


「作っても良いが、水の上げ方次第では変更してもらう必要があるかもしれんじゃろう。

 解決方法が思いつくまで、大人しく待っておれ」


 そのまま何もせずに待っていても仕方がないので、排水の方は作っておくことにした。

 今の所は水を溜めて置ければいいので、排水口の前にはちょっと大きめの石を置いて穴を塞いでいる。


 川までの水路は、ヴィーグルに土魔法で川まで穴を作って貰った。


「ちょっと、何かを壊したかったのじゃ」


 今、危ないことを、事も無げに言ったな。

 何か嫌なことでもあったのだろうか? 心当たりが見つからないのだが……


「穴を開けてくれたお礼だ」


 ストレージの中から、アプリコットを2つ取り出して渡した。


「では、妾は木陰で食べてくるのじゃ」


 デジャブだろうか? 前にもこんなことがあった気がする。

 とりあえず、ドラゴンの餌付けは完了しているようだ。


「食べ終わったら、水平を見る機械で水路に傾斜が付いているか確認するのを手伝ってくれ」


「分かったのじゃ」


 ヴィーヴルお気に入りの、あの機械にも出番をやろう。

 見た感じ、傾斜が付いているようなので測る必要は無いのだが、測っておけば間違い無いし、ヴィーヴルの機嫌も良くなるのなら無駄という事は無い。


 ヴィーヴルが食べている内に、箱の中へ水魔法で水を満たしておこうと思い、水魔法を行使していた。


「水場がどんどん増えていくのじゃ」


 横からヴィーヴルに声を掛けられた。

 水魔法の方に集中していたので、ヴィーヴルが近づいて来ていたのが分からなかったので、少しだけ吃驚してしまった。


「ヴィーヴル、驚かさないでくれよ」


 ヴィーヴルは微笑んでいた。


「此方の水場は、飲み水にするのじゃ?」


「飲み水が欲しいのなら、水路から直接汲めばいいだろうから、飲み水としなくても良いかなと思っている」


「では、どうするのじゃ?」


「水路が出来るまでは飲み水とするけど、水路が出来た後は自由に使うで良いかと思う」


「では、此方でも水浴びが出来るようになるのじゃ?」


「あぁ、こっちに住む人だって水浴びがしたいだろうしな。

 あっちまで移動するのは面倒だろう」


『主様、先ほどツヴァイより連絡があり、至急、門までお越しいただきたいとのことです』


 畑でアン達ゴブリンの護衛をしていたはずのムッティーが、此方へとやって来て伝えてくれた。


「門まで? 何かあったのか?」


『詳しいことは伝えられませんでした』


「分かった、至急だからとりあえず急ごう。

 ヴィーヴルはどうする?」


「妾も行くのじゃ」


「良し、じゃあ門へ行ってくるよ」


『お気をつけて』


 俺とヴィーヴルは瞬間移動で門へとやって来た。

 そこには、倒れた1人の兵士と、それを取り囲むようにアルルとファーティ、ツヴァイが立っていた。


「何があったんだ?」


「あ、ノアさん。

 ファーティさんが、森の中からこの人を咥えて来たの」


『主よ、我が門前を通りかかった時に、藪の影よりこちらの様子を窺っておりました。

 武器を所持しておりましたので、気絶させておきました』


「そうか、分かった。

 ファーティ、ありがとう」


 こちらの様子を窺っていたか……道に迷っていたとしたら、その割には装備が綺麗すぎる。

 普通、道に迷うと草や木で装備が傷んでしまうものだ。

 という事は、斥候なのだろう。


「冒険者ならギルドカードを持っているはずだが……」


 装備や懐を探ってみたところ、小物入れを発見した。

 そして、その中には王国紋章が描かれたカードが入っていた。


「こいつ、王国軍兵士だ」


 何故、こんな所に兵士が居るのか、確認する必要が出て来た。


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