表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/366

第182話 ギルドへの報告内容の確認

「とりあえずだ、話せる範囲でいいから、この村のことを話してくれ。

 そもそも、前に来た時には『村』とは言ってなかったはずだ」


「前に来た時には、こんなに居なかったからな。

 まず、壁のことだが、お前たちが来た後に何もないと以前のお前らのように、簡単にここまで来られるだろ? 人間、動物、魔物に関係なくな。

 それだと、安心して暮らせないから壁を作ろうとなったんだ。

 魔王が作ってくれるという話になったしな」


「まぁ、こんなに早く作られるとは思っていなかったけどな」


「そして、村民のことだが、畑をもっと大きくしないと生活していけなくなると考えられたからだ。

 前に、ドワーフの街でミスリルの武器が売りに出されたという話を聞いたことがないか?」


「あ、片手剣が領主に納められて、短剣が一本売りに出たってやつだよね?」


 ルークの耳には届いていたようだ。


「あれは、俺が素材(ミスリル)を提供して、知り合いの鍛冶師に加工して貰ったんだ。

 その時に結構な枚数の金貨を手に入れられたんだ」


「そうかぁ、あれはノアが絡んでいたのか。

 元仲間として、売ってほしかったな」


「売るのは鍛冶師の奥さんに頼んだから、俺にはどうしようもならないよ」


「それが、ここでの生活にどう絡むと言うんだ? 話を進めろよ」


 シュラウドが少し苛立ちながら言った。


「此処の村は作ったばかりだ。

 畑も作ったばかりで、作物なんてまだ殆ど出来ていない。

 クマやシカを狩っているが、それだけでは此処にいる皆の腹を満たすことはできない。

 だから、ミスリルで得た金貨で街から物を仕入れて来ているんだ」


「そうか、それは分かったが、何故、ゴブリンが農作業をしていたんだ?」


「近くにいたのがゴブリンだったと言うのが正直な所だけど、ゴブリンに手伝って貰ったら、思いのほか農作業に向いている種族じゃないかと思ったんだ」


「そうなのか?」


「あぁ、確かに力はないが、言われたことを少しずつでも熟すからな。

 それに、言われたことは忘れない」


 作物につく虫を食べる(処理する)ことは言わなくても良いだろう。


「そうだとしても、ゴブリンが一緒に生活している事はギルドに報告できないな」


「この村のことを報告する必要があるのか?」


「話の流れとして、全く話さないと言うのは無理だろう。

 元魔王が暮らしている村なのだからな」


亜人(オーガ)も住んでいるから、それだけで報告できないか?」


「オーガもいるのか?」


「半分は魔王が連れてきたんだ」


 ガレス一家はルシフェルが連れてきたようなものだから、嘘は言っていない。


「半分は? あと半分はどうしたんだ?」


「それは……魔王が魔王じゃなくなったことに関連するのだが……今まで、魔王領では魔人以外の種族に対する迫害を禁止されていたんだ」


「それは初耳だな」


「それが、魔王が代わったことにより撤回される可能性が出てきたんだ」


「魔王が代わっただけで、そんなことがあるのか?」


「それがあるんだよ。

 前の魔王が、それまで行われていた他種族への迫害を禁止したらしいが、魔族の間では不満材料として根強く残っていたらしい。

 だから、その前に移住して来たものがいるんだ」


「そうか……」


「ギルドにも、魔王領から難民として亜人がこちらに来る可能性があるから、注意を促したほうが良いかもしれない」


「分かった。

 それは伝えておこう」


「そんな感じで良いか?」


「そうだな……代わったことについては、魔王本人から確認しよう。

 オーガが居ることを話せば、ゴブリンのことは話さなくてもいいだろう。

 まぁ、ゴブリンと一緒に住んでいると言っても信じてもらえないかもしれないがな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ