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第177話 開拓しよう(2)

「じゃあ、道を作ろうか」


 朝食を摂った後、ヴィーヴル、ルシフェルと共に水道の所までやって来た。


「此処から、牧場までの道を作りたいから、こっちの方にある邪魔な木を切り倒す感じだな」


「抜いた木は、集めて積んでおけば良いのだな」


「そうだな……後で、風の通りが良い様に積みなおすから、邪魔にならない所に倒しておいてくれればいい。

 その時に、木の根は切り離しておいて貰えるかな? あと、枝払いもしてあると助かる」


「枝払いとは何じゃ?」


「枝を切っておくことを言うんだ。

 木材として使うのは幹の部分だから、使わない枝を切ることを枝払いと言うんだ」


「では、引き抜いた木から枝と木の根を切って倒しておけば良いのじゃ」


「そうだな、大変かもしれないが、よろしく頼む」


「承知したのだ」


 そう言って、ルシフェルは魔法で土から木を引っこ抜いて宙に浮いたままの状態で、木の根と枝を切り離して横倒しにして見せた。


「そうやれば良いのじゃ。

 では、妾もやるのじゃ」


 ヴィーヴルもルシフェルと同じようにやって見せた。


「どうやれば出来るのか、俺には全然分からないんだが……」


 俺が首を傾げていると、ヴィーヴルが解説してくれた。


「使っている魔法は風魔法だけなのじゃ。

 まずは風魔法で大量の風を木の根へと送り込み、木を浮かせておるのじゃ。

 その後、浮いたままの木の根と枝を、風魔法で切り払い、最後に風魔法で場所を移動させるのじゃ」


「風魔法を木に当てているのなら、風に葉っぱがそよぐんじゃないのか? その様子は全くなかったと思うが?」


「風を当てるのは、木の根の一部分の様なのじゃ」


「全体に当てると、不要な魔力が必要になるからな。

 使用する魔力は少なくするに越したことはないからの」


「風魔法で木の根や枝を切り払うより、水魔法の方が強いんじゃないか?」


「同時に複数の属性は使えんぞ」


 言われて、複数の属性を同時に使ったことが無いことに気が付いた。


「魔族の魔法では、体内とはいえ魔法を行使するに魔法陣が必要だということなのじゃ。

 その場合、複数の魔法陣を同時に行使するためには、同時に複数の魔法陣を構築する必要があるのじゃ」


「同時に複数の魔法陣を構築することは、出来んからな」


「しかし、龍の魔法では魔法陣が必要ないので、同時に使用することが可能じゃ。

 ノアも、コツを掴めば同時使用できるかも知れんのじゃ」


「ヴィーヴルは、同時にいくつの属性魔法が使えるんだ?」


「妾は2つなのじゃ。

 過去には3つ使える龍もおったそうじゃ」


 出来ないことは無いけど、相当難しいのだろう。

 あのヴィーヴルでさえ、2つ止まりなのだから。


「済まない、作業の邪魔になったな」


「良いのじゃ。

 魔法の事ならば、気にしないの」


 ヴィーヴルとルシフェルは、進行方向へと向き直ると、次々と木を根ごと引き抜いて、根と枝を切り離して道の横に倒していった。

 俺は、ヴィーヴル達が木を抜く時に出来た穴を土魔法で埋めていった。

 穴だらけのままだと、歩き難くて仕方がないから。


 土魔法で作った土は、地面の土とは違う。

 土と言うよりは壁に近い感じになり、普通の地面と比べると綺麗すぎる感じになってしまう。。


 ただ、土魔法で作った土を掘ることは出来ないし、打ち消すためにキャンセルさせるか、その土魔法以上の魔力が籠った魔法で打ち破るしかない。

 だから、土魔法で穴を埋めることで、道としての機能を果たすことはできるが、非常に見栄えが悪い。


「そこまでやるのならば、道とする部分を土魔法で覆いつくす方が良いのじゃ。

 その方が、歩きやすいのじゃ」


「そうだな、その方が見栄えも良いしな」


 ヴィーヴルに指摘され、土魔法で覆いつくすように道を作っていった。

 その際に真ん中を少しだけ盛り上げておいた。


「どうして、平らに作らんのだ?」


「こうしておけば、雨が降っても道の真ん中に水溜りが出来ずに、道の外に流れ出るかなと思ってさ」


「成程」


 そうして、牧場までの道を作ることが出来た。


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