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第132話 牧場を探していたら、樵が見つかった

 その後、瞬間移動を繰り返して行い、街へとやって来た。

 牧場の場所を知っている人が居ないか、街で聞き込みを行うためだ。

 肉屋へ行けば、牧場の場所だって知っているだろう。


 しかし、まだ時間が早かったのか肉屋は開いていなかった。


(一応、市場の方も見てみるか)


 市場へと足を向けたが、やはり家畜を売ってはいなかった。

 正確には鶏は売っていたのだが、雄鶏だった。


(肉として買って帰るのも良いが、それなら肉屋で買えば良いからな)


 折角、市場に来たのだから何か買っておこうと思い、果物、野菜などを買った。


(そろそろ開いているかな?)


 肉屋の方へと戻ると、既に店は開いていた。

 店の中へと歩みを進める。


「いらっしゃい、何が必要だい?」


 威勢のいい出迎えだ。

 ヴィーヴルに持ち帰ることを約束したから、肉を買うか。


「そうだな……牛と羊を1塊ずつくれるか」


「あいよ、少し待ってくれ」


「ついでと言っては何だが、牧場が何処にあるのか聞きたいんだが」


「あぁ、良いけど、牧場に何か用でもあるのかい?」


「あぁ、家畜を飼いたいと思ってな?」


「肉なら此処で買えば良いだろ? 態々、飼うなんて面倒しかないだろ」


「俺は此処の人間じゃないからな。

 此処に来るには森をずっと抜けてこないといけないから、そっちの方が一仕事だよ」


「そりゃ、大変なこった」


「それで、牧場はどこにあるか教えて貰えないか?」


「あぁ、いいぜ。

 兄さんが入ってきた門を、向かって右側に壁沿いを歩いていくと、直に牧場への道が見えるはずだ。

 その先は一本道だから、迷うこともないだろう。

 ……と、これが品物だ」


「あぁ、ありがとう。

 幾らだ?」


「銀貨3枚と銅貨5枚だな」


 言われた通りの銀貨と銅貨を店員に渡した。


「毎度あり。

 牧場では、足元を見られるかもしれないから、覚悟はしておいた方が良いと思うぞ」


「まぁ、それは仕方がないだろうな」


 肉屋を出て、裏道へと身を隠した。


(入って来た門って、多分、正門の事だろう。

 裏門の方へ瞬間移動して、壁伝いに反対方向に歩けばいいから、左手方向に行けば良いだろう)


 門を通らずに街へと入ってきているから、正門から出るのは拙い。

 他の門番の時に通ったと言っても、問い正されても綻びが生じないとは限らない。

 遠回りになるだろうが、衛兵に会わないのが確実だ。


 裏門の方へと瞬間移動し、そのまま森の中へと入り、街の壁へと近づいた。

 そして、少し壁沿いを歩いた所で、小さな丸太小屋を見つけた。


(ここか? その割には、草原も柵も見当たらないようだが?)


 丸太小屋の周りを見回していると、遠くで樵のような音が聞こえた。


(あれは、樵の音かな? そうだとすると、これは樵の小屋か?)


 牧場へ行って家畜を手に入れたいが、樵が居れば森を開拓して畑を更に拡げることが出来るだろう。

 早急に必要という訳では無いが、樵が来るとしても今日1日で連れて帰ることは出来ないと思うから、話だけでもしておけば良いかもしれない。


(牧場は逃げるわけじゃないから、樵を先に探すか)


 なにせ、今の場所は何もかもが不足している。

 将来的には商人もなるかもしれないが、他の所との交易は出来ないし、するつもりもない。

 ヴィーヴルとルシフェルが居る以上、他と交易することで余計な情報を流出させるわけにはいかない。

 秘密が隠し通せる間は隠し通すつもりだ。


 だから、定住型の職業なら受け入れられるし、酪農家も樵も定住型だ。


(エルフの矜持とかが無ければ、良かったんだけどな)


 ドワーフが2人いた。

 丁度、斧を振るって木を倒そうとしている所だった。


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