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第122話 ドノバンの弟子探し(1)

「近いうちにアン達の元居た村へ行くのだけど、一緒に来てくれないか?」


 次の日、朝一番にアンへ元の村まで一緒に来て欲しいことを告げた。


『私はもう要らないという事でしょうか?』


 怯えている目をして、こちらを見つめていた。


「違う違う、此処へ他にもゴブリンを連れてきたいんだ。

 俺から説明するより、同族であるアンから説明したほうが良いだろうと思ったんだ」


『そうでしたか。

 でも、何故私なのでしょうか?』


「ドゥにはキャトルとサンクが居るからな。

 まだ、子供から離れない方が良いだろうと思うんだ」


『分かりました』


「ドゥには、その間、畑の世話やトロワの面倒など負担が増えてしまうが、よろしく頼むよ』


『それほどの負担ではないので、大丈夫ですよ』


 食堂へ向かうため外へと出ると、ヴィーヴルが洞窟から出てきた。


「ヴィーヴル、おはよう」


「あぁ、おはようなのじゃ」


「昨日の話だけど、今日から動き出すから、色々とよろしく頼む」


「分かったのじゃ。

 妾に任せるがよいのじゃ」


 ヴィーヴル、アン達と共に食堂へと向かう。

 既にドノバンは席へと座っていた。


「おはよう、昨日の件だが了解を得たぞ。

 ドノバンも、まずは、弟子とする者を探してくれ」


「そうか、では、儂を街まで連れて行って欲しいのじゃが」


「此処で弟子を探せと言うのは無理だしな。

 じゃあ、今日にでもドワーフの街まで送るよ」


「皆さん、おはようございます。

 それで、街に行くって何の話かしら?」


 台所に居たイルデが、料理を持ちながらテーブルの方へと歩いてきた。


「あぁ、イルデか、おはよう。

 ドノバンの弟子探しの話だよ」


「あら、何の事かしら? 私は何も聞いていないわよ?」


「ノアも、ほれ、期待せずに待っとれと言ったじゃろ? だから、まだ何も話しておらんのじゃよ」


「そうか、じゃあ始めから話すけど……」


 俺も此処に居る者の数を増やしたいと思っていたこと、ドノバンも弟子を取りたいと思っていたこと、その弟子となる者を探しに行くので、元の家まで送ることを話した。

 アイリスの件は、何か気恥ずかしいく感じたため省略した。


「そうなのね。

 それで、弟子を探すために街へ行くと」


「そうなのじゃが、あちらで弟子となるものはすぐに見つかるとは思えんのじゃ。

 じゃから、あちらで暮らしながら探そうと思っておるのじゃよ」


「皆揃って、何の話なのだ?」


 ルシフェルとベルゼバブが食堂へとやって来た。

 最近は、ルシフェルとベルゼバブも朝食を一緒に食べるようになっていた。

 アイリスの料理が、魔族の胃袋までをも捕まえたようだ。


「おはよう、ルシフェルにベルゼバブ。

 いや、ドノバンが街へ行って弟子となる者を探してくるって話をしていたんだ」


「どういう事なのだ? さっぱり話が見えないのだが?」


 俺は再び、ルシフェルに説明をした。

 こんなことなら、何処かで皆を集めて説明すれば良かった。

 一通り説明すると、ルシフェルが


「ならば、魔族領に居るオーガの鍛冶はどうかの? 我は見所があると思い目を掛けておったのだが、周りは『オーガである』ことを理由に重用することに反対しておったのだ。

 ドノバンもドワーフである必要はないのであろう?」


「腕が確かならば、種族なぞ関係無いですじゃ」


「ならば、その者と話すが良い」


「ルシフェル、そいつは此処で暮らしても大丈夫か? ゴブリン達と一緒に暮らすことになるんだぞ」


「この前の、エルフのようなことがあるのは拙いと?」


「あぁ、だから、俺とも会わせてくれないか? 俺が色々と確認するよ」


「分かった。

 では、朝食後に魔族領へと向かう事としよう」


「ドノバンもそれで良いか?」


「あぁ、分かったのじゃ」


「ということで、イルデ、ドノバンを借りるぞ」


「分かったわ。

 いってらっしゃい、あなた」


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