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第118話 防衛施設の建設(5)

 俺とヴィーヴル、ルシフェルとベルゼバブは、壁全体が見渡せる高さまで上がって行った。

 壁は家がある処には作られていない状態で、4つの真っ直ぐな壁が繋がっていた。


「なかなかな広さだな」


「広さだけならば、我の城より大きいであろうな。

 こうなると、村もしくは小さな国と言った感じだな」


 村ならばまだしも国って……そんな、大それたものは望んでいないのだが……


「山と繋がっている部分は、何らかの細工をしておいたほうが良いかもしれないな。

 このままだと、あそこから簡単に入り込めるだろうしな」


「穴の途中から、水が全く入っていない部分があるようですが、よろしいのでしょうか? あの壁とその壁の途中から、水が入れられた様子が御座いません」


 ベルゼバブが指さした壁の近い方の穴が見える位置まで移動して確認すると、水は入っておらず空っぽだった。


「あぁ、穴のある場所の高さが違うから、水の入り方に偏りが出来たんだ」


 良く見てみると、門の位置が一番水が溜まっているようだ。


「あそこが一番低くなっているようだな」


「ふむ……ノアよ、どうしたものか?」


「そうだな……穴の中に壁を作るか」


「壁?」


「あぁ、壁だ。

 壁を作って、穴に仕切りを作るんだ。

 そうすればその中での高さはあまり変わらないはずだから、水を入れても満たされたままになると思うんだ」


「では、どの位の間隔で仕切りを作ろうかの?」


「半分くらいの位置で作れば良いと思う。

 そして、水面の高さが低いと思ったら、その半分の位置にまた仕切りを作る。

 そうしていけば、丁度良い感じになると思うんだ」


「分かった、では、我は向こう側とここをそのように拵えよう。

 ベルゼバブは、そこを今言われた通りにしてくるのだ」


「畏まりました」


「では、妾はあちら側を拵えてくるのじゃ」


「俺は……」


「ノアは飛べぬからのう、この作業は行えまい」


「そうなのじゃ。

 ここは飛べるものに任せておくのじゃ」


「そうは言っても、俺だけ何もしないと言うのは気が引けるしな……」


「ならば、その間に山との繋がり部分をどうするか考えておくのじゃ。

 山までは妾が連れて行ってやるのじゃ」


「分かった、ヴィーヴル、よろしく頼む」


「では、作業が終わったら再びここに集まるのじゃ」


「その前に、ファーティにこのことを伝えたいから、一度降りて貰えるか?」


「分かったのじゃ」


「では、我らはこのまま作業へと向かうとしよう。

 ベルゼバブ、よろしく頼むぞ」


「畏まりました」


 ルシフェルとベルゼバブは自分の担当箇所へと飛んで行った。

 俺達は一度地上へと降り、ファーティに事のあらましと、再び此処で待機するように伝えた。


『では、時間潰しも兼ねて狩りをして参ります』


 ストレージがあれば腐らずに保存できるから、無駄になることはない。

 ひょっとしたら、今日の晩酌の肴が1品増えるかも知れない。


「狩り過ぎるんじゃないぞ」


『御意』


 ファーティは森の中へと消えていった。


「では、行くのじゃ」


「いつも済まないな」


「気にする必要は無いのじゃ」


 ヴィーヴルと共に宙へと浮かび、山の方へと向かって飛んだ。


「俺も飛べる魔法を覚えた方が良いのかな?」


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