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第114話 防衛施設の建設(1)

 元のパーティメンバーが帰った後に、ヴィーヴル、ルシフェル、ベルゼバブ、ファーティと食堂に集まった。


 今の此処の状態では、動物の侵入をある程度は防げるものの、人間や魔物はほぼ素通り状態で来られてしまう。

 アン達と一緒に暮らしていることがバレても、せいぜいゴブリン討伐程度の冒険者ならば撃退できると思う。

 また、ルシフェルに相対するものが、大挙して来た場合には対処できそうもない。

 元居たパーティの事を信用していないわけではないが、ギルドや軍の考えも同じとは限らないし、用心しておくに越したことはないだろう。


 皆を集めたのは、どのような防衛施設を何処に作れば良いか聞きたかったからだ。


 ドノバンは、「それなら、武器を沢山用意しておけば問題ないじゃろ」と言って、工房へと引っ込んだ。

 武器は必要かもしれないがそれを使う人がいないから、数だけ作っても仕方がないのだがな……


「それなら、この辺を高い壁で囲ってしまえばいいのじゃ」


「この辺全てを壁で囲うには、何日か必要になるだろう。

 できれば今すぐにでも対策したいから、難しいと思う。

 木を切って壁を作る場所を作って、土魔法で壁を作らないといけないからな」


「妾なら、すぐにできるのじゃ。

 木なら、妾のブレスであっという間に消し去れるのじゃ」


 そうか、ヴィーヴルはドラゴンだったな。

 ドラゴンのブレスなら、木くらいならあっという間に焼き払えるか。


「じゃあ、周りに壁を作ろう。

 どうせなら木を木材にして使いたかったけど、さっさと作ったほうが良いだろうしな」


「我ならば、魔法で木を切ることくらい、すぐにできるぞ」


「切っても運ぶには時間がかかるから、ヴィーヴルの言う通り焼き払ったほうが良いのかもしれない」


「ある程度の大きさに切り刻めば良いのだろ? そんな事は造作もないぞ」


「魔王様の手を煩わせる必要はありません。

 私でもそれ位は行えますので、私が致しましょう」


「いや、ここの所机に向かってばかりいたので、偶には身体を動かしたいのだ。

 我がやろう」


「魔王様には、書類に目を通して戴くまでは、他の作業をして戴くことは問題があります」


「緊急のものは作業前に見よう。

 それ以外に本日中に目を通す必要があるものは、晩酌後に目を通す」


「分かりました。

 では、書類を分けておきますので、後で部屋までお越しください」


 ベルゼバブは食堂を出て行った。


「それで、壁を作る範囲だが、ファーティが普段からこの辺を動き回っている範囲で良いと思うんだがどうだろうか?」


「それで良いのじゃ」


「ファーティ、後で普段の行動範囲を案内してもらえるか?」


『承知』


「行ってみないとわからないが、多分、全ての木を木材にしても置くところがないと思う。

 だから、ルシフェルが木を木材にする部分と、ヴィーヴルが焼き払う部分で作業を分けたいのだが良いかな?」


「分かったのじゃ」


「こちらも良いぞ。

 壁を作るのは、我も行おう。

 然程、時間も掛からんだろうし、何せ、我が原因なのだから、これ位は行おう」


「俺も、魔力操作の練習をしたいから、3人で分担して作ろう」


「壁の前を窪ませて水を入れておくと、より良いぞ。

 壁に門を作って、出入りする場所を其処だけにすると、防御力が上がるだろう」


「成程、そこまですると城みたいだな」


「我の城がそのようになっておる。

 城の防御をこの場所全体へと広げた感じとなるかな」


「じゃあ、門のところは俺に作らせてもらっていいだろうか?」


「何かあるのか?」


「あぁ、ちょっと思いついたことがあってな」


「では、我は一仕事してくるとしよう」


「俺たちは、ファーティに範囲を教えてもらいに行くよ。

 ファーティ、よろしく頼む」


『承知、こちらです』


 ルシフェルと別れて、ファーティと共に森の中へと入っていった。


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