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第11話 ゴブリン討伐

 夜が明けた。

 やはり朝方になると、ちょっとだけ寒く感じる。

 それでも、寝床が柔らかかったこともあり、身体の痛みはほとんどない。


 家の中は……

 おぉ、昨日よりだいぶ乾いている感じがする。

 この分ならば、今日こそは家の中で寝られそうだ。

 魔物の気配がないとはいえ、万が一は十分に考えられる。

 これで、気を張った状態で寝ないで済むことになりそうだ。


 実は、昨日の夕方に様子を見た時に窓を開けっぱなしのまま閉め忘れていた。

 それがどうやら良かったようで、窓をきちんと閉めていた一昨日より早く乾いているようだった。

 後から聞いた話だが、物を早く乾かしたい時には温度を上げれば良いというわけではなくて、風を当てる必要もあるとのことだった。

 風を当てないといつまで経っても乾かないらしい。

 窓を開けっぱなしにしたことで、風が入るようになって乾くようになった。

 主婦ならば知っていて当然らしいのだが、冒険者として生活してきた俺にそう言った『主婦の知恵』などは皆無に等しかった。


(今日は、少し範囲を広げて探索するか)


 今まで一度も来たことのない、家の右手側の方の森の中へ入ってきた。

 迷って帰れなくなることが無いように木に傷を付けながら、警戒しつつ奥へと進んでい行く。


 鹿や兎などの動物は見かけたが、魔物は見当たらない。

 この辺は魔物がかなり少ないのか、今日はこのまま帰って、薬草で小銭を稼ぐことにするか……

 そんなことを考えていると、『ギッ、ギッ』とゴブリンのような鳴き声が聞こえたような気がした。


(ん? ゴブリンか? そう、遠くではないとは思うが……)


 息をひそめながら、草陰から鳴き声のした方向の様子を伺うと、やはりゴブリンがいた。


(問題は何匹いるかだよな……)


 5匹以上いたら、まぁ、このままやり過ごした方がいいかな。

 頑張ればできないことはないが、ある程度の余裕は持っていたい。

 ゴブリンは全部で3匹。

 先頭で様子を伺っているゴブリンが1匹。

 兎を抱えているゴブリンが1匹。

 何か分からない木の実を持っているゴブリンが1匹の合計3匹。

 先頭のゴブリンを()れば、比較的、簡単に討伐できるかも知れない。

 見つからないように回り込んで、ゴブリンが近づくのを待った。


 まだ早い……

 もう少し……

 まだ、あと2歩……


(今だ!)


 先頭のゴブリンの首を刎ねると、近くにいたゴブリンが鳴き声を上げた。


「次!」


 返す刀で、兎を持っていたゴブリンを袈裟に斬る。

 兎を持っていたゴブリンは、兎を持ったまま倒れた。


「これで最後だ!」


 木の実を持ったゴブリンは、木の実を投げ捨てて最初に首を刎ねたゴブリンの持っていた剣を拾おうとしていたが、それより早く、俺の剣がゴブリンへと届いた。

 俺の奇襲は完全に上手くいった。


(まぁ、毎回、こう上手くいくとは限らないしな。

 3匹しかいなかったのも運がよかったし、すぐに戦闘態勢に入れるのも1匹しかいなかったし……

 運が良いことづくめだったな)


 ゴブリンの討伐証明である右耳を3匹から回収して、穴を掘って埋めておいた。

 このままにしていたら、動物を呼び寄せてしまうから後始末をしないといけない。


「これでよしっと。

 よし、帰るか」


 明日は薬草を採って、ギルドへ行って街で買い物だ。


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