表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/366

第105話 魔王(+その他)の移住?(1)

 3日後、魔王が再びやって来た。

 何時頃、こちらに来るのか聞いていなかったのは失敗だった。


 朝から歓迎パーティの準備は始めたので、既に終わっている。

 もう、いつ来ても準備万端だ。

 来るなら来い! ってやつだな。


 そろそろ昼になろうか? って位に魔王達はやって来た。

 魔王本人と前も居た従者2人の他に、何人かの人影が見える。

 家を建てるための人手か? 魔法ですぐに作るとは言っていたが、その為の人員なのだろう。

 その割には小さい子供もいるように見えるな。


「本日より少しばかりこの地を借りるぞ」


「前に来た時に聞けなかったのだけど、こちらや街へ攻めこむ足掛かりにするわけじゃないよな?」


「その気は毛頭ない。

 それに、ヴィーヴルも居るし、足掛かりとするには、この地は人間の街からは離れすぎておるしな」


「その言質が取れるのならば、歓迎できるよ。

 よろしく頼む」


 ルシフェルと握手を交わす。


「ところで、今回は随分と大所帯で来たようだが、家を建てるためか?」


「それは、我一人でどうとでもなる。

 こやつらは、ヴィーヴルとの約束なのだよ」


「そうなのじゃ。

 まずは、妾からルシフェルへの約束の物を渡すのじゃ」


 そう言って、ヴィーヴルはルシフェルに2つの四角い箱みたいなものを渡した。


「これをそれぞれの場所に置くと、魔法により、その場所の声を聞いたり、その場所へ声を届けたりできるのじゃ」


 何か便利そうなものを作ったようだ。


「こちら側をルシフェルが持つのじゃ。

 それでじゃ、ここを押すと、魔法が発動するようになっておるのじゃ。

 そして、もう一度押すと、魔法の発動が停止するのじゃ。

 一応、きちんと動くか試してみるがよいのじゃ」


「うむ、では、マスティマ。

 こちらを持って、我の声が届かぬところまで飛んでいくのだ」


「仰せのままに」


 マスティマが、ヴィーヴルからルシフェルへ渡した片割れを持って、何処へと飛んで行った。

 少し間を空けて、ルシフェルがヴィーヴルに言われたところを押しながら話し始めた。


「マスティマよ、聞こえるか?」


「はい、魔王様、聞こえております」


「うむ、そちらの声も聞こえておる。

 これで、御前会議の件は問題あるまい。

 では、マスティマに命ずる。

 それを持ち帰り、玉座にある人形内へと設置せよ」


「はい、魔王様、仰せのままに」


 ルシフェルは、もう一度、言われたところを押していた。


「マスティマよ、聞こえるか?」


 あちらからの返答はなかった。


「うむ、問題なく動いているようだな」


 あれ? と言う事は、マスティマはもう来ないのか。

 歓迎パーティの頭数が1人分減ってしまったな。

 でも、ルシフェルがこっちに住む事になった時に、あまり良い顔をしていなかったから、パーティに出ても居づらかったかも知れない。


「ヴィーヴル、感謝するぞ」


「良いのじゃ。

 これで、貸し借りなしなのじゃ」


「あぁ、分かっておる。

 と、これは約束のモノだ。

 好きに使ってよいぞ」


 そう言って、ルシフェルは後ろに控えていたエルフの方へ顔を向けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ