ブラッディーティラノ
「ゴォォアギャァァス!」
この咆哮は俺に向けられたものだと振り向かなくてもわかる。
キノコの森を抜け木々の獣道を走る。
すると目先に赤黒い蛇が見える。
色的に絶対強いやつじゃん。
しかし蛇はすぐ逃げていった。
後ろにヤバい奴がいるもんね。
勿論俺より逃げ足は早い。
それからは他の生物も見えず押し付けることもできない。
ひたすら走ると大きな洞窟が見える。
残念ながらサイズ的にもあの恐竜は入れるだろう。
後ろからは植物を踏みつける余命宣告のような音が聞こえてくる。
俺はどうしようもないので洞窟内を走る。
体力も限界。洞窟に入って間もないうちに洞窟内に足音が響く。
「もうおしまいだぁ...」
俺は内心諦めと後悔、ネガティヴになりながら洞窟の曲がり角を曲がる。
すると目の前には馬のような黒い毛と鹿のような立派な角の生えた黒緑のドラゴンのようなモンスターがいる。
目と目が合う。終わったわ。
俺を無視して二匹で潰しあってくれないかなぁ。
冥土の土産の如く鑑定する。
名前:麒麟(固有種)
強さ:SS−
説明:500年前に人の国を二つ潰したと資料に記されている。
あ、人と敵対してるんですかね。
やっぱり終わった。
麒麟は殺生を好まないって聞いたことがあるのに・・・
力なく座り込み、意味なく近くの石をお守りのように握る。
嫌だ、死にたくない
....!話が通じるかもしれない。
パニックになりながらも命乞いする。
「す゛み゛ま゛せ゛ん゛!助けてください!僕は別の世界からきた転移者です!いっぱい面白い知識もあります!助けてください!助けてください!」
俺は必死に自分の価値吐き出した
「ゴォォアギャァァス!!」
耳がビリビリする。大気が震える。
気絶しそうになりながらも後ろを振り向くと奴がいた。
駄目元で手に持った石を投げつける、すると奴の体が弾け飛ぶ!
といったことも起こらない。
誰がどう見てもノーダメージであろう。
「た゛す゛け゛て゛く゛だ゛さ゛い゛」