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モヒカン男のヤゾン

「そうか・・・すまんな」


 穴があったら入りたい。

 こそこそ話で話してくれてさぁ気遣ってくれてさぁ、いい人じゃん。

 ごめんなさい。


「おうよ、お前他の服あるのか?」

「ない・・・実は森で遭難してたんだ。」


 つい嘘をつく。

 いや嘘じゃないか。

 遭難みたいなもんだもんな。


「その臭さも納得だわな!ならこの服やるよ!あと魔法で綺麗にしてやろうか?」


 モヒカン男はそのあたりの人が来てるTHE普通の服を渡してくる。


「いいのか?」

「へっへっへ、困ってる時はお互い様よ!それに汚ねえもん見てると綺麗にしたくなるんだわ、どこかひと目のつかないところにいこうぜ?」



 毒を吐かれた気がする。

 あれ?これ怪しくね?

 ・・・いいだろう。正義の裁きを見せてやる。


 俺は人気のないところで着替える。

 すると


「ウォーターボール!」

「フレイム!」

「ローテーションウインドウ!」


 突然モヒカン男は、魔法を唱える。


「へっへっへ、俺は属性魔法が3つ使えてよぅ、これを合わせるとこうよ!」


 モヒカン男の手のひらで、水の玉が回転しながら火で熱されている。


「さらにこれを入れるとよ、出来上がりだぜ!」


 モヒカン男はバックから何かを取り出す。

 花?


「さあ食らいやがれ!!」


 ・・・あったけえ、気持ちいい、いい匂いがする。


「終わったぜ!」


 あれ?もう終わったの?

 というか結局本当に綺麗にしてくれただけ?

 おいおい、人を疑う事を知ってる灰色の心をからかうんじゃないよ。

 ごめんなさい。

 いやまだだ、まだこのあと法外的な金額を請求してくるに決まってる!


「いくらだ?」

「おいおい兄ちゃん!ただ俺がしたかっただけだ、金なんかいらねえよ」


 俺の心を洗濯してくれ。

 うん、上手い事を言ったな。

 ごめんなさい。


「とても気持ちよかった。心から感謝する。俺はヤミキリだ。あなたは?」

「へっへっへ、気にすんな。俺はヤゾンってんだ!この魔法は俺のオリジナルでよ!自慢なんだわ!じゃあそろそろ戻るか」


 いい人だなぁ。何か忘れてる気がするわ。

 あぁドラゴンの事忘れてたわ。

 多分もう騒ぎになってるよね?

 ノンプさんすまん。

 ・・・この人だけは助けるぞ。


 〜〜〜〜


 騎士団が集まっていた辺りにドラゴンがいる

 並んでる人達が騒めいてる。

 けどもっと騒ぎになると思ってたが。


「おいおい!ありゃオーダードラゴンか?」

「知っているのか?ヤゾン」


 意外と博識なのか?


「おうよ、ってえ事は勇者様も来てるかもしれねえな」

「?討伐しにか?」

「ちげぇよ、ありゃ勇者様のドラゴンだ、見るのは初めてか?」


 頭がハンター脳になってたわ。

 反省反省☆

 何はともあれ血濡れ事にならなくてよかった。


 騎士団がいた近くに戻る。

 オーダードラゴンの隣に確かに勇者っぽい男がいるな。

 あれは強いな。鑑定鑑定。


 名前:人間(固有種)

 強さ:S+

 特徴:人の力の限界点を超えている

 固有:様々な加護を受けている。これを人は勇者と呼ぶ


 うわ強いなぁ。

 俺がA+ぐらいの強さだろ?

 ちょっとショックだわ。

 だけどクロルさんには敵わないようだな。

 修業が足りんぞ、小童が!

 俺はなぜか得意げになる


 すると勇者がこちらを振り向く。

 鑑定したのバレた?

 鑑定したぐらいで殺されないよね?

 それとも心の中読まれたりした?

 様々な妄想が飛び交う。


 おいこっち来んな、怖えよ。

 殺伐系勇者の可能性がある。

 俺じゃこれは逃げきれん。

 考えすぎか?考えすぎなのはわかってる。

 いや、前の世界での妄想はこちらの世界ではありえるような事だ。

 やべえよやべえよ。


「おい、勇者様がこちらに!」

「あぁ・・・あの凛々しい御姿、素敵だわぁ」

「勇者様ならきっと何とかしてくれるわ!」


 茶髪で凛としていて中性的な美形の勇者に女性から熱こもった言葉が飛び交う。

 くそが!面白くねえぜ!

 しかし評判は悪くなさそうだな。

 そしてとうとう俺の前に来る。


「君は・・・何者だい?」

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