エンペラーマウンテン騒動
(ヤミキリよ!確かに中々の格好良さだった!雷魔法を放つ時の口上も悪くない!しかし欲を言えばもう少しアクセントが欲しいな!)
(今回は相手が魔物だったからな。相手が人の時は相手が盛り上げてくれるさ。期待していてくれ!)
エタンの姿はこの男には見えていない。
というのも精霊と契約している人間はそういないため注目されるとの事で嫌なので隠れて貰っている。
いや注目されるのはいいんだけどね、されたいっちゃされたいんだけどね、なんというか目立つなら格好いいことをして目立ちたいよね。
精霊と契約してるってだけで目立ちたくないんだよね!
いやぁしかし久しぶりの人との会話だ。どもってないよな?
〜〜〜
お互い自己紹介の後、国について聞いた。
この男はノンプさんというらしい
王がいて貴族がいる。
魔物退治や採取物探しといった依頼を扱っている施設(冒険者ギルド)は勿論あるとの事だ。
やっぱり魔物が沢山いる世界ならそう言った組織は必然とできるか。
異世界でよくある国で安心した。
こう言った世界に俺は来たかったのだから。
「もうすぐつきますよ、ヤミキリさん。」
山を降りてどのくらいたっただろうか。
「ほら見えてきました。あれ? いつもよりやけに混み合ってるし荒れてるなぁ。騎士団もいますね、ショルバー騎士団もいるじゃないですか。どうしたんでしょうかね」
ショルバー騎士団?多分どこかのエリート騎士団かな?
・・・俺はそこまで鈍感じゃない。
多分エンペラーマウンテンの騒動のことだろう。
こっちでも騒ぎになっているか。
う〜ん、ノンプさんに今のうちに話しておくか。
「すまない、ノンプさん。ノンプさんが見たというエンペラーマウンテンの話だが、実は俺も見ていた。ノンプさんを落ち着かせたくて嘘をついた。」
「ええ!嘘だったんですか!!そんなぁ!・・・とりあえず話を聞いてきます!」
適当にごまかす。
ノンプさんは馬車はから飛び降り門の前で並んでる最後列の男と話をしている。
俺は馬車で待っている。
しばらくするとノンプさんは戻ってきた。
「お待たせしました。どうやらエンペラーマウンテンの騒ぎで村から避難してきたらしいです。多分他の人達もそうなんでしょうね」
俺の世界で例えるなら富士山の頂上に黒光りしながら巨大何かでるようなものか。
うん、騒ぎになるのも無理ないな。
しかし俺はその事態が解決済みだと知っている。
この感情、優越感だ・・・性格悪いな。俺。
「いやぁ、もう本当不安ですよ。早く入って嫁と子に会いたいです。あ、最近結婚しましてね?これが可愛いんですよ。あ、両方ですよ?」
・・・俺には夢の異世界生活が待っている。
俺には夢の異世界生活が待っている。
俺には夢の異世界生活が待っている。
ふぅ・・・なんとか抑えたこの殺意
しかしこんなに並んでこの人達の受け入れ先はあるのか。
・・・む?上空から何か来てるな。
あれはドラゴン!?慌てて鑑定する
名前:オーダードラゴン
強さ:S
特徴:己の利より秩序を守る。最近では我を出している。
ふむ、勝てないな。逃げる準備をしよう。
(ん?)
(どうした?エタン、ドラゴンの事か?)
(いや違う・・・独り言だ!気にしないでくれ!)
白々しい、気になるわ!まぁ仕方ない。
そんなことよりドラゴンだ。
回りの人間はまだ気づいてないな?
どうする。騎士団に注意だけはしておくか?
「ノンプさん、少し出る。」
「おや?どこに行くんですか?」
俺はそのまま馬車を降り騎士団に向かう。
「おいそこのお前!!」
すんでのところで列に並んでいる男が声をかけてくる。
モヒカン頭で棘付き肩パットをした世紀末風の男だ。
ふむ、テンプレか?早速絡まれるとはな。
どれ、一発チャンスをやろう。
力の差という物を見せてやる。
・・・正直この展開やりたかったんですよね!
だけどその前に念のため鑑定鑑定。
名前:人間
強さ:C+
特徴:様々なスキルを覚え、最も強さのバラツキがある種族であろう。年を取ると背骨の数が減る。
いやいや!いや人間ですよ?確かに。違うんですよ。そういうの求めてないんですよ。
こう相手の名前が分かったりスキルが分かったりですね。
強さがわかるのはいいけど漫画の鑑定スキルと比べるとポンコツだなぁ。
いや求めすぎだ。言いすぎた。鑑定さんごめんなさい。
まぁいい、脳内約束通り一発チャンスをくれてやる。
モヒカン男は俺に近づいてくる。
そして俺の耳に手を当て静かに呟く。
「お前かなり臭うぞ。周りに迷惑だ」
予想外の展開に脳が戸惑う
・・・ん?臭う?これは喧嘩を売ってるのか?いやどうも違うな。
そういや風呂入ってないし水浴びも3ヶ月前か。
でもノンプさん臭いのこと何も言ってなかっよな?
・・・あーノンプさん鼻詰まってたなぁ。