俺の5年間
「本当だ!崖になってたんだな!!」
ヤミキリが無理してテンションを上げている事ぐらい私でもわかる。
「ヤミキリ、お前気づいてるな?」
「ん?何の事?」
「すまない!何でもない!ただ降りるのは少し待とう!あまり調子が優れなくてな!」
つい聞いてしまった、聞かずにはいられなかった。
必死に泣くのを我慢しているその顔の意味は
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何百年も好き勝手に生きてきた。
だからわかる、俺は長くないと。
もって5年といったところか。
最後は静かに、誰も来ないような山で暮らすか。
自然に身を、そして感覚を任せる。
色々なものが見えてくる。
森で喚く猿、今にも食われそうな鳥、静かに待つ鰐。
そして湖にいるあいつ。
ふん、俺では勝てんな。
怪我をしててこれか。
治れば世界は滅びるかもしれんな。
だが、もう俺には関係のないことだ。
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・・・ん?森に人間?いつきた?
ここに来れるぐらいだ、相当な実力・・・弱いな。
どういうことだ?どうやって来た?
久しぶりだ、何かに興味を持てたのは。
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トカゲに追われてるようだな。
どれ手助けしてやろう。
プレッシャーを与えたが頭がおかしいのか一瞬怯んだだけだった。
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気絶したこの人間、別の世界から来たと言ったか?
そのようなことがあり得るだろうか。
だがこのような雑魚がこの山にいる理由にはなる。
鑑定してみるか。
?!地球人?このような種族は見た事も聞いた事もない。
実に興味が湧いて来た
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修業をしたい?強くなりたい理由はカッコつけたい?
そんな理由を俺の前で言えるとは実に面白い!
真偽の目で見ても嘘はついてるように見えないな
それに何かを育てる経験をした事がなかったな。
どれだけ強くなれるか楽しみだ!
その前に異世界について興味があるな。
話を聞かせてもらうぞ。
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何かを育てるのは思ったより悪くないな。
それに人間にしては成長速度が速い。
会話をするのも悪くなかったな。
あいつのこれからする事を見てみたいがそれは叶わないか。
もってあと1カ月ってところか。
虚しく終わるはずだった残りの3年
悪くなかったな。
恩を返すぞ、ヤミキリ、お前の未来にあいつが邪魔だな。
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最後に全力をだしたのはいつだったか。
やはり俺より強い。
だが負けられないな。
あいつに格好つける為に
これにて修行編完結です
ここまで読んでくれている人がいるのは本当嬉しい。
ありがとうございます!