クロルさんは格好つけたい
プランクドーン、今までに見た中で一番やばい。
クロルさんがSS−、プランクドーンはSS
クロルさんより強い。
クロルさんは黒い落雷を豪雨のごとくプランクドーンに落とす。
凄まじい後景だ。
地面大丈夫か?と現実逃避の思考がよぎるがプランクドーンに全て当たっているため問題なさそうだ。
プランクドーンのスライム状態の体表が焦げてはポロポロとおちていくが大きさが大きさだ。
致命的とは言えない。
対するプランクドーンは自身の体を何万本?数はわからないがとてつもない数の触手を作りクロルさんに伸ばしている。
触手のスピードはとてつもなく早い。
一本一本触手に黒い雷が落ちているのか、クロルさんに届く触手は割合的には多くはない。
しかし数でいえばかなりのものだろう。
早すぎてよく見えないがクロルさんは届く触手をスレスレで避けられていると思う。
しかし痛々しくこちらも鱗や皮といった体表がえぐれている。
治癒魔法を常時使用しているのか、えぐれた部分が治ってはえぐれ治ってはえぐれている。
見ていられない。
厳しかったが優しかったクロルさん。
3年間話し合い、修行してくれたんだ。
なんでこんなことやってるんだ。
頼む、死なないでくれ
「ヤミキリ・・・目を離すな」
エタンの言葉に視線をクロルさんに戻す。
しばらくするとプランクドーンの大きさが一気1/3くらいになった。
このままいけば勝てるぞ。
頼む、頼む!
が突然触手を避け続けているクロルさんを囲うようにスライム状の壁が湖から飛び出てくる。
弱って体が小さくなったのではなく、湖に伸ばした体を隠していたのか。
クロルさんは急いで上に逃げようとするがプランクドーンが箱に蓋をするように出口を塞ぐ。
一つのスライム状の巨大な箱ができる。
しばらくすると豪雨のような落雷も収まる。
無音だ。
え?嘘でしょ?クロルさん?嫌だ、嫌だ!
「クロルさん!・・・クロルさん!!」
俺は静まり返った森で必死に叫ぶ
すると突然巨大な黒い雷が巨大な箱を貫通する。
箱は崩れていく。
その中にはクロルさんの姿が見える。
クロルさんは湖から何かを拾うとこちらにやってくる。
その姿は角は折れ、片腕片足がなく、尻尾もない。
「何やってるんですか!クロルさん!!」
何故突然あのような化け物を相手したのかわからない俺にはクロルさんに対して焦り、怒り、喜びともいえない複雑な感情が込み上げる。
俺はクロルさんに治癒魔法を使う。
腕と足と尻尾は確かに治ったが爪は剥がれ落ちたままで尾の毛は抜けたまま、角は折れたままだ。
「あとは自然に治る。ヤミキリよ!」
「なんですか!?」
「俺は格好良かったか?」
「!・・・最高にガッゴ良がっだでず!」
俺は泣いた
〜〜〜
「ヤミキリ、これを持っていけ」
湖で拾ってたもの、それはひび割れた丸っこい何かとクロルさんの尾と折れた角だった。
「いいんですか?」
「あぁ、好きにしろ」
「大切にします。角はナイフ、尾はマフラーにします」
俺はマジックボックスに入れる
「マフラーとはなんだ?」
「最高にかっこいい装備です!」
「クックック、そうか」
「・・・」
「最初は虫けらのように弱かったお前が、よくもここまで立派になったな・・・達者でな」
「・・・クロルさん!今までありがとうございました!!」
「あぁ、元気でな。ヤミキリよ」