エタンセル
「人間よ!お前の口からもう一度聞きたい!お前はなぜ私の力が欲しい!」
俺がやりたい事を知っているような口ぶりだ。
ウケがいいのか?本当はみんなカッコつけたいのか?それなら嬉しいぞ。
「格好つけたいからです!」
「ハッハッハ!よかろう!人間!貴様と契約する!だが先に言っておく!一度契約すると私以外の精霊と契約は出来なくなる!それでも闇の力を操る私と契約するか!?」
「お願いします!」
俺は即答する。
「いい返事だ!ますます気に入った!よし!手を出せ!」
俺は手を差し出す。
闇の精霊も手を伸ばし手と手が触れる。
すると闇の煙が湧き出る。
気づいたら闇の精霊の腕のリングと同じものが俺の腕にある。
「これで契約終了だ!私を楽しませてくれ!」
「ありがとうございます。何で俺なんかと契約してくれたのですか?」
「敬語はよせ!それはな!闇の格好良さを知っているからだ!」
「もしかして精霊さんもカッコつけたいの?」
「違うな!闇がカッコいいのは自然の事だ!ただ格好良さを求めた人間が闇の格好良さを知っていて闇の力を求めている!手助けしないわけにはいかない!」
「精霊さん・・・」
「その呼び方はよせ!早速だが人間には私の名前をつけてもらう!かっこいい名前を頼むぞ!」
「・・・エタンセルのエタン!俺がいた星の言葉、フランス語で輝くという意味だ!闇は決して輝かない。しかし俺たちは闇の力で輝く存在になる!」
闇の精霊さんのテンションは俺の厨二心をいい感じ刺激する。
俺は歩く厨二病機関車だ!決して止められん!
かっこいい外国の言葉を読み漁ってきた俺に抜かりはない!
「これは!気に入ったぞ!さすがはパートナーだ!!」
「照れますぜ」
よかった。気に入ってくれた。
即興でこれは中々の完成度なのでは?
「・・・よかったな」
クロルさんが暖かい目をしてる気がする。
「お初にお目にかかる!クロル殿!あなたの事は精霊界では有名だ!なんたって数々の・・・」
「俺の事は喋るな」
「これは失礼した!」
続きが気になる。
まぁ仕方ないか。
「それでエタンは俺たちの事をどれだけ知ってるの?」
「お前が格好つける為に修業をしているというところまでだ!これから雷魔法を習うのだろう?私の事は気にするな!私には時間がたっぷりある!」
素直に雷魔法を習っとくか
「すみません、クロルさん雷魔法についてよろしくお願いします」
「・・・わかった。雷魔法について説明する。雷魔法は生まれつき、もしくは運良く雷にうたれたものが稀に覚えると聞いた。よってお前には俺の雷を受けてもらう」
「運良くないっすよ、それ!雷なんか受けたら死んじゃいますよ!」
「安心しろ、手加減はする。それではいくぞ」
今までで一番酷い修業だった。