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あなたの見る世界、視界。

作者: に*か

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たとえば。


私の目には、きったないボロ布にしか見えないようなものでも。


ある人にとっては、赤ん坊の頃からずっと握っていた大切な布切れだったりする。



「それが無いとなかなか眠ってくれなくてねぇ」

今はもう年老いて、少しくたびれた顔をした母親が良い顔で笑う。



誰の目から見ても、ゴミのような“それ”でも。

たった一人の宝物になりえるのだ。




なりえるのだ。



それは――――人でも、モノでも。


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最近、私以外の奴が、みんなすごく思えるんだ。


みんなが、とてもキラキラして映るんだ。


みんなの頑張りが、真剣な気持ちばかりが、私の心をいっぱいにするんだ。



私は追いていかれないように、必死になって何かをしようとするんだけれど、私の手はいつも空を掴むばかりで。


私の気持ちは先へ、先へと進んでいくのに。


私の体は石のように重くて、全く進めないんだ。


進めないんだ。



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