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プロローグ  うたがきこえる

 うたがきこえる。


 もう、聞くことはないと思っていたのに、

 思い出すことしかないと思っていたのに…


 空も大地も無い、ただ漂うだけのこの空間に戻ってどれほどの時間が経ったのだろうか。

 私以外の多くのものが向こうで作り出され、主の呪縛から解けた瞬間にここに追いやられた。

 もう、向こうに戻ることはないだろう。戻りたいとも思えないが。

 だが、彼は違ったみたいだ。

 彼はことの他、主に縛られている。

 ここに来た時点で私たちは主から解放されているのに、彼の心はいまだ主に縛られたままだ。

 それほどに、彼は主を思っていたのだろう。

 彼は消えてしまった。

 あの歌声に導かれて。


 わかっているはずなのに。

 あの歌声は、主のものではないと。

 私も引き戻されてしまいそうだ。

 向こうへ戻って、ともに世界を旅し、戦場を駆け抜けたい。

 主と一緒ならば、何処へでも付いて行っただろう。


 主はもういない。


 「馬鹿よ、アンタ」


 歌声に誘われて彼は行ってしまった。


 「アンタが大好きなミュートはもう、死んでるのよ」


 

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