プロローグ
先週、実家の町内に住んでいたお爺さんが亡くなった。
面倒見の良いお爺さんで、小さい頃お世話になった記憶もあったので僕は葬式に参加した。
葬式では僕の2つ前に、親族であろう見知らぬ親子が座っていた。
お経が詠まれている最中、五歳位の女の子が母親に質問する。
「ねぇ、お爺ちゃんどうしたの?」
無垢な子供の素朴な質問である。
母親は娘に対して、「しぃー。」と言ってから質問に答えた。
「お爺ちゃんはね、お迎えが来て遠い所に行ったのよ。今はそれを見送っている処だから静かにしてようね。」
「うん、わかった。」
・・・遠い所、か。
僕が小さい頃は、確かお星様になったのだと説明をされたなぁ。
以前自分のお爺さんが亡くなった時の事を思い出す。今考えても突っ込みどころ満載なその答えに、当時はよく突っ込まなかったなぁと感心する。
この母親は、お迎えが来たと言った。
それが天使や悪魔について指しているのかは分からないが、そこら辺について突っ込まれたらどうするつもりだったのだろう?
その人達はなぜお爺ちゃんを連れて行ったの?
その人達はどんな格好をしているの?
その人達は生きているの?死んでいるの?
その人達はなぜ・・・そんな事をしているの?
これは僕にも分からない事だった。
答えは誰に聞いても分からないし、ググっても出てこない。
漫画的な答えならば、
裸みたいな格好してただ連れていっている(例えば少年と犬と一緒に)という話や、
そいつらはもう死んでいて、生きていた時の罪を償うために死者をを黄泉の国まで送っていると言う話、
そいつらが生きているのか死んでいるのかよく分からないが、ただ刀を使って霊を送る事を生業している話、
などを知っている。
そのどれもが嘘だと思うし、意外と本当なのかもしれないし分からない。
そんなどうでも良い事を考えていると葬式は終わりを迎え、僕はまた日常生活に戻った。
どうでも良い事は本当にどうでも良くて、知る必要もなければ考える必要もなかった。
なるようになっているだけさ・・・。
そして、時は流れて今日を迎えた。
いつもと変わらない日常。いつもの様に働き、いつもの様に遅くに帰る。
変わらない日常の中で、生きる事の意味が働く事だと決め付けて毎日働くだけ。
そう思う事に、そう思ってる事こそ正しい考えていた日常が変わるなんて考えてもみなかった。
それはいつもと同じ帰り道。
いつもの様に帰りの時間は遅い。
だけど、この日の帰り道での事がきっかけで、僕の人生が、僕の考えが変わるなんて思いもしなかった。
作者が初めて書く小説です。
一生懸命書きますので、よかったら続きも見て下さい。
_(‐ω‐)_オネガイシマスデス