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コーチ

卓球用品売り場で出会った二人は、それぞれ同じコーチから教わっていた。


これは過去のハナシ。





ちょうど一年前のハナシ------

<柚李 三月>



「98!99!100!」


最後の球は今までの中で一番強い球をたたきつけた。





「よ~し。んじゃ、休憩。」



先生が去ってしまう前にひとつ聞きたいことがあった。


「あの・・・」




「ん?」




先生が、普段道理のニュアンスで聞き返した。




逆に、言いづらくなる。



でも、聞かずにはいられなかった。



「カットマンに、スマッシュなんて必要なんでしょうか・・・?」



言ってしまった後にしまったと焦ったが、




先生は変わらず、こう返答した。




「いくらカットがきれいに入ったって攻めらんなきゃ雑魚同然よ。」





意外な返答に驚いた。




そして、向こう側で必死で多球練をしている男子を指さして言った。





「あいつ、見てみー。」



言われたとおりに、その男子を観察する。



卓球マシーンを使っての多球練をしていたが、その姿はもうすでに疲れ果て見えた。



「フォームもだめだし、打ち方もあまりいいとは思えませんが・・・?」





「あいつは、朝から来てずっとあればっかやってんだ。」





「・・・!?」







驚いた。そんなに集中力が続くものなのか。




耳をすませると、声が聞こえてきた。





「497!498!499!」




すごい数だ。まさかその数を連続で・・・




「500!!」




最後の一球は私の本気のスマッシュとは比べ物にならないぐらいの強さだった。






そして、一呼吸をおくなりその男子はこっちを振り返って、口を開いた。







「せんせ~!お題、やっと全部クリアしたよ!!約束どうり、フレアもらうかんな!?」





「あ~もちろんだ!直斗。そのかわり、角度うちを600連続でやらんとブラシはやらんぞ!」




「ちきしょ~!!」




気合をいれるなり、その男子は休憩をはさまないで、その過酷な課題を始めた。




(・・・!?)




すごいとおもった。




この世には、あんな気力をもった中学生もいるのか。






その時、コーチが話し始めた。



「あいつは~、つい最近入ってきたんだけれども、入会したいと言い張るなりこういったんだ。」





「?」




「僕に、最強の攻めを下さい!ってな。」





「最強の・・・攻め?」




「そう。だれにも防がれないような、最高の攻撃。」




「そんなもの・・・」






「いや、ある。」




先生のきっぱりとした態度に、威圧でおされた。




「だから、俺はあの子に託そうと思った。自分が学生時代に積み上げてきたものを。」






コーチにそこまで思われているところに、嫉妬した。




(あんなやつに絶対負けない!)




「コーチ!!」




「ん??」




「私に、最強のカットを教えてください!!!」--------

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