遭遇。
卓球用具を買おうと、久しく町のほうに出てきた直斗
そこで、ある人物と遭遇することになる。
そして、それこそが、
「すべての始まり」
<直斗 九月十七日>
がやがやとした、たくさんの街の音。
幾重にも折り重なって止みそうもない車の走行音。
今日は久しく、駅のほうにでてきた。
ラバーの手入れをするスポンジと、クリーナーを切らしてしまったのだ。
「あぁ~めんどくせぇ」
背伸びをして、人ごみの中を一気にはしり出す。
そうだ。自己紹介がまだだった。
俺の名前は「中川直斗」
ごく平凡にいる中学生だというか、そうでありたい。
勉強も、体力もずば抜けてあるわけでもなく、
地味か派手かと聞かれたら、地味なほうにいるな。
だから、現在は「卓球部」とゆう場所に落ち着いてる。
市立月花中学校。
とくになんのへんてつもない、普通の中学校に
中学二年として、過ごしてる。
ま、もうすぐ受験で満足に卓球もできなくなるから・・・
今のうちに楽しんでおこうって思ってる。
やっと着いた。
どこにでもありそうなスポーツ用品店。
卓球用品は、いつもここで買うことにしている。
ドアを開けると、なにか独特な匂いがした。
確か、剣道や柔道まで幅広いスポーツの用具を販売してるとか。
まあいいや。
俺は手早く卓球の用具売り場へ急ぐ。
あったあった。
ラバークリーナー。
そんなこんなで見回っていると、
あるラバーが目に付いた。
「あぁ~・・・」
速攻型表ソフトの「フレアストーム」の最新型、「フレアストームⅡ」
ペン速攻にはうれしい能力が向上された。
スピードと、パワー。
今は「フレアストーム」を使っているが、これが使えたらどんなにうれしいことか・・・
「やべ~ほしい~・・・」
そんなことをおもっていると、
もう一人客が入ってきた。
・・・女子中学生?のようだ。
あれ・・・どっかで見たことあるような気がするのは気のせいだろうか?
まっすぐに卓球用具売り場へ向かってきた。
とくに商品を見て回る訳でもなく、目線はひとつのラバーだけに向けられていた。
目線の先のラバーをみる。
(・・・タキネス?)
もしこの人が卓球をやっているならカットマンだ。
それに、あのリストバンド--------
「・・・何でしょう?」
まじまじと見すぎたのがわるかったのか、相手からすこし低めの声で警戒された。
(やべっ!)
「あ・・・いや、すみません」
頭をかきながらその場を離れようと左手をだらりとさせたとき、
ずっと昔からつけていた、リストバンドが腕から勢いで落ちてきた。
「・・・・!?」
相手がそのリストバンドを見てハッとした顔をした。
(え・・・?何?)
「・・・もしかしてあんた!?」
この出会いは必然だったのか----
今となってはわからない。