召喚
「ゴホッッ、、」
ウェザーは左胸を貫かれ、体を覆っていた虹色の輝きは徐々に消えていく。
「まさか、私までやられてしまうとはな」
ウェザーはチェスを押し返し距離を取るが、空いた左胸からドバドバと血が流れてしまっている。
「だが、このままで終わりはせんぞ!」
ウェザーは口元からも血を吐きながらもその瞳には依然と深い闇が映っている。
「何を企んでおるかは知らんがここで終わりじゃ」
チェスは未だに何か行動を起こそうとしているウェザーにトドメを刺すべくもう一度金色の光を纏った拳を振り上げる。
「儀式はたった今完成した!」
突如ウェザーの足元から赤い光の柱が現れる。
「これは、、まさか!?」
チェスは何かに気づいたように驚愕の表情を浮かべるが、ウェザーは不気味な笑みを浮かべていた。
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超能隊本部
フレイによって本部に運ばれて現在ベッドでストロングに看病されていたスピンからも赤い光の柱が現れていた。
「おいおい、何だ何だ! 何が起こってる?」
ストロングは突然のことで焦りを現わにすると、赤い光に触れてみようとするが、見えない壁に阻まれてしまう。
「ん? 他にもか!?」
ストロングが窓の外に目を映すと他にも何本も赤い光の柱が立っていた。
「皆は無事でいるんだよな?」
ストロングは現状に疑問を抱くことしかできず、ただひたすらに皆の帰りを待つことしかできない。
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「皆どうしたんだ!!?」
西の集落にいた子供達を連れ首都ベゴニアに辿り着いたレイであったが、着いて早々に子供達から赤い光の柱が何本もが現れ、子供達は一斉に気を失ってしまったようだ。
レイは大鎌を振って赤い光の柱を攻撃するが、ストロング同様見えない壁に阻まれ、大鎌の攻撃を受けても無傷のようだ。
「皆起きて!
何でなんだ!
ここまでせっかく来れたのに、、
あんまりじゃ無いか!!」
レイは壊せないと分かっていながらも大鎌を振り続ける。
「はぁはぁ、、 なんて硬さだ、、」
両手から少量の血が流れる程強く大鎌を握りしめていたレイだったが、覚悟を決めたかのように自身の体を霊化させ半透明になる。
「外から無理なら中からだ!」
レイは赤い光の柱の中に入り込む。
霊化した状態であれば、この光の柱の中に入れるようで無事に一人の少年に触れられる所まで近づく。
(ここで霊化を解いて実体に戻った瞬間に僕まで気絶してしまう可能性があるけど、やるしか無いんだ!)
レイが覚悟を決めて能力を解除しようとするその時、遥か上空から獣の唸り声のようなものが響き渡ってきた。
反射的にレイは赤い光の柱の外に出ると霊化を解いて上空を見上げる。
「な! 何なんだあれは!!」
遥か上空に現れたものは巨大な時空の裂け目のようなものから顔を覗かせており、その顔は犬やライオンなどの動物に似ているが、ただの動物にない見るもの全てに恐怖を与えるような顔をしている。
だが、レイが驚いたのはその化け物が裂け目から三体も顔を覗かせているからだ。
赤い光の柱は時空の裂け目の節々に当たっており、この赤い光の柱がこの時空の裂け目を発生させた要因であるのだろう。
だが、一筋の金色の光が化け物に向かって飛んでゆく姿をレイの瞳は捉える。
「あ、あれはチェスさん!?」
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「お主、魔族召喚を行ったのか!?」
チェスは酷く動揺している様子を見せるが、すぐさま金色の光を纏ってウェザーを殴りつけるが、赤い光の柱に遮られその拳は弾かれてしまった。
「無駄だぞ! もう私達は生贄として捧げられている。
もうこの国はあの魔族によって滅ぼされる運命なのだ!」
ウェザーは高笑いを浮かべるが、すぐに咳き込むと左胸を押さえながら膝をついてしまう。
「はなから私達の魂を生贄にあの魔族を召喚する予定だったのだ。
かつて、東西戦争でもキクレンの国民すべての魂を捧げて呼び出したあの化け物を!!」
ウェザーは最後に再び大きな高笑いをすると意識を手放し気絶してしまう。
「当時の超能隊の全勢力とその命をもって魔界へ送り返した存在、、
ワシ一人の力で何とかなるじゃろうか、、?
いや、、何とかするしかないのじゃな。
今まで皆に戦ってもらっていたのじゃ。
最後くらいは踏ん張らなくてはのぉ」
そう呟くとチェスは上空の魔族に目を移すと空を飛んで近づいていく。
しかし、魔族は時空の裂け目から顔を出すだけでそこから出てこようともがいているが、体は一向に出てくる気配はない。
「そりゃぁそうじゃ。 かつて一国の国民全てを犠牲に召喚したものをこの僅かな人数で召喚しようと言うんじゃ。
生贄の魂が圧倒的に足りておらんのじゃ」
チェスは冷静に分析をしているが、次の瞬間三つある魔族の顔の一つが大きな口を開けて黒い炎を口に溜め込む。
「まさか!?」
魔族は黒い炎を吐き出すとその炎は急激に広がってゆき、首都ベゴニアを覆い尽くすほどまで大きくなってゆく。




