キングとクイーン
「勇者? 勇者ともあろう方がこんな人気のない場所で何をしていたのですか?」
コピは目の前の勇者を名乗る男に対して、警戒を怠らず何か動きがあればすぐに対応ができるように準備をしている。
「そんな警戒しないでください。 別に敵意はありませんよ」
ロークは両手を挙げながら戦闘の意思がない事を伝える。
「たとえ君が超国から来た人間だとしてもね」
続けて不適な笑みを見せながらコピが超国からやってきた事を指摘する。
「さて、さっき話したけどあの少女は人攫いから逃げ出したからあの男に追われていたんだ」
ロークはコピに潰されてしまった男に指を差しながら説明する。
「何でそんな事を知っているのかと聞きたそうだね。 それはあの男は王国で一番の裏組織ユリアザミの下っ端だったんだ」
ロークはコピとの距離を歩いて縮めていく。
「僕は今、ユリアザミを潰すために色々と情報を集めていてね。
そこの人攫いはその過程で見つけたんだ」
ロークは説明を終えるとその鋭い瞳でコピの澄んだ瞳を覗きこむ。
「それで、超国の人が王国に何のようなんだい?」
ロークは終始笑顔を崩さず話を進めている。
「私が超国に来た理由ですか。 聞いたら私と敵対することになると思いますがいいでしょうか?」
コピは覗き込んでくるロークの瞳から目を逸らすことなく堂々とした態度で返事をする。
「あぁ、是非聞かせてくれ」
ロークはコピから半分脅しのような言葉を放たれるが、気にしていないようだ。
「分かりました、話しましょう。 私がこの王国に来た理由を」
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「今日も配達物は多かったけど、やっと終わったっす」
茶髪のオールバックを整えながら話すのは、サタ・ウィーク。
「ご苦労だったな。 ところでポートはまだか? またどっかで道草食ってんじゃねーだろうな?」
白塗りの顔をしかめながらゴエモンはこの場にいないポートに対してイラつきを見せる。
「ポートさんはサボり癖がありますからね〜」
ポートはそんなゴエモンを気にする事なく砂で椅子を作ると座り込む。
そんな話をしているとポートが瞬間移動で目の前に現れる。
「二人とも面白い情報ですぜ〜。 カードが今日キングを出しやがったからチェスの旦那に試合を申し込んだんですよ。 もうすぐ修練場で始まるから早く来た方がいい。 じゃぁ俺は行くんで〜」
ポートはゴエモンから文句の言葉を言われる前に、言いたいことだけ伝えて一瞬でまた消えてしまった。
「あいつは遅れたことを謝らずに行きやがって」
「でも、カードさんとチェスさんの戦いは確かに気になるっすね!
俺らも早く行きましょうよ!」
「そうだな」
ゴエモンが頷くと二人は超能隊本部に向かって走り出す。
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超能隊本部 修練場
修練場の中心には二人の人物がたっている。
「しゃぁ! やってやるぜ!」
その一人はカード・レッドミル。 左頬にはスペードのマーク。 右頬にはKが現れている。
両手でしっかりと剣を握っており、背中には黒いマントをひらつかせている。
「私は敵のキングを討ち取るために存在している。 貴方も倒して見せましょう」
カードの目の前にいるのはチェスが能力で生み出したクイーンである。
全身真っ白な鎧を纏い、巨大な大剣を片手で持ち上げている。
修練場には他の超能隊メンバーが多く集まっており、隅で二人の事を見守っている。
「この二人の戦いは最強と呼ばれているお前も気になるのか〜?」
ポートが瞬間移動で修練場に現れると隣に立つレイに問いかける。
「僕の戦い方はただヒットアンドアウェイでひたすら削るやり方だからね、、 二人みたいに派手な戦いはやっぱり憧れるよ、、」
レイは相変わらず自信の無いような話し方でポートに返事をする。
「確かにな〜。 俺も似たようなもんだからな〜」
ポートは頭を掻きながらレイに同意する。
「チェスさん、学校は大丈夫なのですか?」
同じく観戦しているアクアはチェスが校長を務める学校の事を心配しているようだ。
「フォフォ、大丈夫じゃよ。 今日はカードが朝一でワシの家に訪ねてきたからの。 代わりにブレイクのやつに学校は任せることにしてある」
チェスは長い白髭を触りながら椅子に座っている。
「滅多にクイーンを出してくれないチェスさんが、試合に応じるとか羨ましすぎる!!」
白い煙の上でキラキラと輝いている瞳をカードとクイーンに向けているのはゴクウである。
「はぁ、ここでの試合がある度に結界を張らないといけない俺の身にもなって欲しいがな」
修練場の部屋全体に結界を張り巡らせているゴジョウが愚痴るように訴える。
「でも、この試合はどっちが勝つか本当に分からないから楽しみだよ!」
のほほんとした口調で話すハッカイはこの試合を楽しみにしているようだ。
観戦している面々が雑談をしていると、カードとクイーンの間にフレイが歩いてくる。
「それでは始めるぞ。 二人とも準備はいいな?」
フレイはカードとクイーンに確認をすると二人とも頷きを返す。
「それでは、試合、、開始!!」
フレイが爆発を起こすのを合図にカードとクイーンの戦闘が始まる。




