最後の難関、企画
「初めはそんなもんでしょう。店長を呼んできます」
「ありがとうございました」
あたしは優男に頭を下げて、優男を見送った。結局、通信して呼び出したのはクリクリだけみたいだった。みんな、携帯持っていないのだろうか?
最後の砦……じゃない最後の難関、プーが来た。
「頑張ってるみたいだね。感心感心」
「どうも、ありがとうございます」
「うん。表情も大分よくなってきた。みんなの教え方が上手かったみたいだね。あなたのレベルに合わせて教えてくれたでしょ。特にマロム・クリムなんて、ぼくが手塩にかけて育てた従者だから、教えるのが上手くて当然だよ」
身内自慢をし始めるプー。こいつは、あれか。クリクリは飼い主に似たのか。
「はあ」
「んん? 上司のつまらない話もきちんと聞くようにしないと駄目だよ」
「……」
つまらないとわかっていて話をしたのか。あたしを試しすぎじゃないか?
「返事は?」
「かしこまりました」
「宜しい。企画について説明するよ。メモを取る準備はいい?」
「はい。準備できております」
あたしはすちゃっとメモとシャーペンを用意して、プーに合図した。プーは頷いて、ペラリと一枚の薄い紙をあたしに見せた。あたしはそれを覗き込む。
「簡単に説明するよ。企画書というものがあってね、この紙の通りに記入していくんだけど、企画が通るかどうかは紙だけで決まらない。プレゼンはわかる? 普通はプロジェクターを使うんだけど、ここではホワイトボードで説明してもらう。それがプレゼン」
「はい」
メモを取りつつ、あたしはクリクリに言われたことをする。
「うん。プレゼンでは、この紙に書いたことを補足していって、最後に質問がないか、意見がないかを訊いて、他の人に意見をもらう。言わば一対多数のディスカッションだよ。企画書を書く前にアイディア出しをしていって、それから企画書に書くといいよ」
「はい」




