まるで女に興味がないかのようだ
「どういたしまして」
そうか。そんなに責任感のある仕事をバイトに任せるなんて、思い切った判断もしたもんだな。プーが考えたのか、前の店長が考えたのかは定かではないが。
優男も人に教える時は頼もしく感じる。客の応対は下手だが、あたしに教える時のようにリーダーシップを発揮できる時もあるのか。こういうところは実際に教えてもらわないとわからなかったな。うん、こいつのいいところを見つけられたぞ。あたしは思わずニヤニヤしちまった。優男に見咎められる。
「何ニヤニヤしてるんですか。そんなに楽しいですか?」
「はい。あなたのいいところを見つけられて、嬉しいです」
「……へえー。そうですか。僕は未だにあなたのいいところ、見つかりませんが」
優男はペッと唾を吐くように言い捨てた。あたしはめげないからな。
「あなたに認めてもらえるように、頑張ります」
この大らかで余裕のある美女の真摯さ、ひたむきさ。心打たれるがいい。
「……」
そら見たことか。こいつもあたしの容姿と美しく逞しい姿にメロメロだ。いや、イチコロだったか? 惚れ惚れして何も言えないでいるじゃないか。
「そうですか。まぁせいぜい頑張ってくださいね」
まるで女に興味がないとでも言いたげに、優男は資料を揃えて机に広げた。一から十まであたしに教える。一度しか言わないと言っていたが、ゆっくり喋ってくれるおかげですんなりと頭に入ってきた。こいつ、聞き手のあたしのことを考えて喋っているのか?
指導者としては理想的とまで言えそうだな……。
「発注する景品は主に人気のある景品ばかりですが、ごく稀に店長の意向で昔の人気景品も仕入します。もう手に入らないものまで仕入れるのは困難ですが、オークションなどで安く競り落とすようにしています。オークションでも値段は決まっているんですけどね」
「オークションで競り落としても十円で提供するのですか?」
「いいえ。それは少し高めに設定します。五十円以上でクレーンゲームではなく、たこ焼きやボール滑りで。何回かかけてもらわないと、こちらとしても利益がないので。これだけは店長も譲れないそうです。大体これで黒字が出ています」
今までの黒字はこれがあるからなのか。だとすれば、他のものは大体赤字。でもごく稀にと言っているから、どうなるんだ? 赤字は出ていないが黒字も出ないということか。




