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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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まるで女に興味がないかのようだ

「どういたしまして」

 そうか。そんなに責任感のある仕事をバイトに任せるなんて、思い切った判断もしたもんだな。プーが考えたのか、前の店長が考えたのかは定かではないが。

 優男も人に教える時は頼もしく感じる。客の応対は下手だが、あたしに教える時のようにリーダーシップを発揮できる時もあるのか。こういうところは実際に教えてもらわないとわからなかったな。うん、こいつのいいところを見つけられたぞ。あたしは思わずニヤニヤしちまった。優男に見咎みとがめられる。

「何ニヤニヤしてるんですか。そんなに楽しいですか?」

「はい。あなたのいいところを見つけられて、嬉しいです」

「……へえー。そうですか。僕は未だにあなたのいいところ、見つかりませんが」

 優男はペッと唾を吐くように言い捨てた。あたしはめげないからな。

「あなたに認めてもらえるように、頑張ります」

 この大らかで余裕のある美女の真摯しんしさ、ひたむきさ。心打たれるがいい。

「……」

 そら見たことか。こいつもあたしの容姿と美しくたくましい姿にメロメロだ。いや、イチコロだったか? 惚れ惚れして何も言えないでいるじゃないか。

「そうですか。まぁせいぜい頑張ってくださいね」

 まるで女に興味がないとでも言いたげに、優男は資料を揃えて机に広げた。一から十まであたしに教える。一度しか言わないと言っていたが、ゆっくり喋ってくれるおかげですんなりと頭に入ってきた。こいつ、聞き手のあたしのことを考えて喋っているのか?

 指導者としては理想的とまで言えそうだな……。

「発注する景品は主に人気のある景品ばかりですが、ごく稀に店長の意向で昔の人気景品も仕入します。もう手に入らないものまで仕入れるのは困難ですが、オークションなどで安く競り落とすようにしています。オークションでも値段は決まっているんですけどね」

「オークションで競り落としても十円で提供するのですか?」

「いいえ。それは少し高めに設定します。五十円以上でクレーンゲームではなく、たこ焼きやボール滑りで。何回かかけてもらわないと、こちらとしても利益がないので。これだけは店長も譲れないそうです。大体これで黒字が出ています」

 今までの黒字はこれがあるからなのか。だとすれば、他のものは大体赤字。でもごく稀にと言っているから、どうなるんだ? 赤字は出ていないが黒字も出ないということか。

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